ワクチン接種の薦めに対し少なからぬ反対論がネット上であることは承知している。しかしそれでも小生がワクチン接種の薦めを続けるのは、ワクチン反対派を説得しようとしてではなく、ワクチン逡巡派を助けたい一心からだ。
少し前に『君はなぜワクチン接種を迷うのか』というワクチン接種の薦めの記事を書いたところ、多くの賛同をいただいた。しかし同時に、わが社まで電話を架けてきて抗議しようとする「自称・知識人」がいたり、ネット上では意図的にこの記事の一部のみを切り出して揶揄する連中もいたりする。そこで、以下に小生のスタンスを整理して明らかにしたい。
【前記事と本記事の訴求対象は誰か】正誤乱れ飛ぶネット上の情報、特に「陰謀論」「トンデモ情報」に惑わされてワクチン接種をためらう人たち。もしくはそうした人たちの周辺にいて、彼らを助けたいという気持ちを持っている人たち。
【なぜワクチン反対派を説得する意思はないのか】所詮、ワクチン接種は個人の自由意志に基づくものであり、一旦ワクチン接種をしないと決めた人を説得しようとしても聞く耳を持たないので、時間の無駄だから。
【ではワクチン反対派に言いたい一言は】ワクチン反対派を気取るのは勝手だが、いざ自分が感染して呼吸困難になっても入院は拒否するのが筋。「所詮、風邪みたいなもの」なんでしょ?
【ワクチンの本質的効用とは何か】万一感染した時の症状の度合いを一段も二段も下げてくれることに尽きる。つまり死亡したかも知れない人が命を失わずに済み、重症化したはずの人が軽症で済み、軽症・中等症で後遺症が残ったはずの人がほとんど後遺症が残らずに済むこと。
【接種済でも感染することがあるならワクチン接種は無駄ではないのか】ワクチン接種による感染予防というのは、体内に侵入したウイルスを早めに抗体が排除したお陰で、感染自体を非常に軽微な状態で止めて回復に向かうことができた状態を意味する。そこまでうまくいかず、たとえワクチン接種済でも一旦感染することは稀ではない。これはブレークスルー感染と呼ばれる。肝心なことは、その場合でも発症の度合いは相当軽くなるということである。
【ではワクチンによる感染防止は主目的ではないのか】感染自体を抑制するというのはワクチンの効用が現れる一つのパターンに過ぎず、主目的ではない。結果的に他者への感染が抑制され、社会全体の感染を抑制することにもつながるが、ワクチン接種はあくまで第一義的には本人のためである。これが重要なポイントだ。そこを勘違いすると「あなたの周りの人を守るために接種しましょう」というおかしな誘導になり、それが「社会のために若者に犠牲になれと言うのか」といったトンチンカンな抗議につながる。周りの人を守るためにすべきはマスク着用だ。もちろん、「周りの人を守るために接種したい」という素晴らしい自己犠牲心をお持ちの人の気持ちを否定するものではない。
社会インフラ・制度
2021.02.13
2021.03.11
2021.06.09
2021.07.09
2021.09.22
2021.10.13
2021.10.28
2022.02.28
2022.03.23
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/ 弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/ 代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/