誹謗讒言中傷炎上の厄介面倒

2020.06.13

ライフ・ソーシャル

誹謗讒言中傷炎上の厄介面倒

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/匿名性を剥ぎ取れば、その実数は、じつは、たいしたことはない。にもかかわらず、本人以上に、上や周囲がパニクって、よけいに狂人たちを誘い込み、かえって騒ぎを大きくする。それでは、連中の思うツボ。みなが理性的に、毅然として相手にしないのが最善。/

いちばん厄介で面倒なのが、裏に手を回す連中。たとえば、芸能人を攻撃するのに、本人ではなく、スポンサーに苦情を入れまくる、とか。ここで毅然と、そういうことは本人に直接にどうぞ、うちは関係ありません、と突っぱねればいいのに、政治家や芸能人のように慣れていなものだから、パニクって、いやもう、ものすごい数で、たいへんなことになっている、などと、うろたえて、ああしろ、こうしろ、いや、やっぱりやめろ、と、状況を引っ掻き回し、それで、そこを突っ込まれて、よけいに狂人たちを誘い込み、かえって騒ぎを大きくして、連中の思うツボに落ちる。

いずれにせよ、ようするに連中は一種のテロリストであって、それも、上述のように、匿名性を剥ぎ取れば、その実数は、じつは、たいしたことはない。そうでなくとも、常識的に考えて、まともな人間が、そんなバカなことに関わり合ったりしないことくらい、すぐにわかりそうなもの。つまり、誹謗中傷などいうのは、本人はもちろん上や周囲が、正体不明のテロに屈せず、理性的で毅然としていれば、燃え広がったりしない。しかし、現実は、阿Qのように、妙な少数の連中の工作に煽られて、右往左往し、やつらの燃料としてうまく利用される、軽い人間があまりに多すぎる。

まあ、子供のイジメですら、イジメられたほうに問題があった、なんていう大人が出てくるくらいだから、この問題は、かなり根深い。強姦でも、差別でも、侵略でも、そうやってもっともらしく被害者にセカンドレイプを重ねてきたのが、浅ましき人類の歴史。世間の人間なんて、その程度のもの。ただ、陰で人の悪口を言うやつ、裏表のあるやつ、バカに引きずり込まれて、パニクるようなやつは、いずれまた、やはりなにかで厄介面倒を引き起こすだろうから、気づきしだい、早めに関わりから手を引いた方がよい。

先日、たまたまコンビニで、鳥沢廣栄『図解:お坊さんが教えるイライラがスーッと消える方法』という冊子を見かけた。立ち読みしておもしろかったので買った。年来、売れていて、何度も改版になっているらしい。変な人が多すぎる時代、そんな狂人たちに振り回されない、毅然とした理性をだれもが持つようにしよう。それが、連中を抑え込む最善の手段だ。いくら連中の口をふさいでも、連中の心中の嫉妬の火が燃え残る以上、やつらはかならずほかのところから手を出すのだから。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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