台風15号の被害に襲われた千葉県のトップ・森田健作知事は、週刊文春の記事について台風当日は「私的視察」をしたという説明記者会見を開きました。文春報道を否定した森田健作知事には、災害時のトップリーダーとしての資質に疑問の声が上がっています。
社会問題を外国人や一定の層の責任だと糾弾したのはナチドイツのユダヤ人迫害に代表される、独裁政治の典型的手法です。それだけに自分の支持者・支持層には絶大な効果があるのも事実でしょう。
何より批判に動ぜず、批判するマスコミをすべてフェイクニュースと呼んで全否定する態度は、政治家としての資質には大きな疑問を感じます。一方で、そうした堂々たる主張は、それが間違ったものであっても説得力を持っているともいえます。
アメリカがどこに行くのかは、アメリカ人が自らの責任で選んだ大統領が握っているのです。アメリカ人にそのような投票行動を起こさせたのはトランプ氏のリーダーシップであることも認めるべきでしょう。
・トップリーダーが持つべき資質
「間違ったこと」「良くないこと」であっても、堂々と主張する姿は政治家として、リーダーとしては欠かせない資質です。ミスを犯さない人間はいませんし、組織のすべてから100%支持されるような決断もあり得ません。全員に良い顔をするには、「何もしない」ことしかないのです。
失敗がダメなのではなく、信頼を失わせる態度こそが、組織のトップとして失格なのだと思います。間違っていても堂々と、ある意味開き直ってでも組織を動かす責任があります。
記者の質問に絵に描いたようなオロオロぶりで対応するようでは、およそリーダーと呼ぶにはふさわしくありません。しかし元々タレント・俳優だった森田知事。演技力なら普通の政治家に負けないはずなのでは?とんだところで本業にまで疑問を差し挟んでしまいましたが、ある意味名政治家は俳優的な能力においても優れていたはず。
人で構成された組織を動かす政治家としての能力には、人を説得できる表現力こそ絶対欠かせないものといえるでしょう。
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2022.11.03
2009.02.10
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。