ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
たとえば、とある人に発生する悪い事象があった。ずっとそいつが悪いと思っていた。しかし、実は同じ事象が30%の社員に発生していた。もしも、これを分析してその発生を防げるとしたら、規模の分だけメリットがありますよね?
ミクロ要因は重要ではありますが、マクロ要因を完全に無視できるか?というとできません。
すごく単純に言えば、GDPが成長傾向の国と、GDPが停滞傾向の国では効果のある施策は全く違うわけです。確かに、マクロはミクロの積み上げによって形成される面はあります。しかし、そのミクロ要因を全て見ていくわけにはいきません。どこかでマクロ要因としてある程度のミクロの集積としていっしょくたに扱う必要が出てきます。
ミクロ要因のつながりを全てとらえ切れたら天才でしょう・・・。あるいは悟りを開いたお釈迦様ならば可能でしょうか。しかし、そんなことは常人には無理です。あくまで常人に可能な技術の習得を目指すべきです。
そこで、この2つを統合して、マクロとミクロの環境が影響しあって、マーケットの今があるという捉え方ができるようになると、マーケットの深層とも言うべきものがあることに気づき始めます。マーケットを系、システム、あるいはモデルとして捉えることができるようになってくるわけです。
ちなみに、マクロ環境分析のフレームワークとしては、PESTというフレームワークが有名ですね。コトラー先生の本にも書いてあるので、知っている人も多いと思います。PはPoliticsのPで政治。EはEconomicsのEで経済。SはSocietyのSで社会。TはTechnologyのTで技術。以上でPESTです。
では、この典型的マクロ要因の中でミクロの集積として全体を捉えるという考え方とはやや異質なものがありますが、それはなんでしょうか?そしてその理由は?これもあえて答えは書きませんが、考えてみましょう。
この段階を越えて、仮説思考の大学生に到達します。
大体、コンサルティングファームで3年も修行すると、ドロップアウトせざるを得ない人以外は、この「仮説思考の大学生」レベルに到達します。コンサルティングで「3年」というのは、もともとベースが高い人間を採用していることと、企画業務に特化している面があるので成長機会が多いことによっています。
だから、通常の事業会社とは少し事情が違うと思います。おそらく、事業会社でオペレーションをこなしながらやっていくと、5年から10年で到達できるレベルではないか、と思います。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。