ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
また、この段階にはいろいろな落とし穴があります。ビジネス書にいろいろとフレームワークがのっていたりするので、それを無理やり持ってきたりする人も出てきます。フレームワークは典型的な論点の集まりですので、MECEに分かれているといえば分かれている。
フレームワークは確かに考える参考になるかもしれませんが、自社の現在のケースにあてはめようとすると、ちょっと違和感が出てくる場合が多々あります。むしろ、違和感を感じられる人はセンスがあるでしょう。違和感丸出しの社内資料を作って、それでよしとしているビジネスパーソンも当然おりますので。
もしくは、特定の経営コンセプト本にのっていた内容をそのまま持ってきて、その場を取り繕い続ける人も出てくる。「マネジメントとは・・・」「マーケティングとは・・・」とか、やり始める人が出てくる。その場はそれらしく取り繕われる面もありますが、ほぼ無駄です。
この段階で、「特定経営コンセプト原理主義」、「流行経営コンセプト追従症候群」ともいうべき状況に陥り、抜け出せない人が多数います。
一般論で経営ができるのならば、あなたがそこにいる意味はなんなのでしょうか?
例えば、外国人ですが日本でしか人気がない学者さんがいます。日本では大ベストセラーなのですが、米国では見向きもされません。その学者さんが意味ありげな格言集のような書籍を出しています。これがまた、たちが悪い。
その学者さんの言葉を語っていれば、何か意味ありげでその場がもってしまうのです。
とある企業の会議で、こういう企画をやる時は、「こんなコンセプト、こんなフレームワークがあるんだ」とか、「○○先生もこのようにおっしゃっている!」と言って悦に入っている方がいました。「それで、どうしましょう?」と聞くと、黙りこくってしまう。間が悪くなって、ほかの出席者の方が「そういえばケイパビリティが抜けていますね。」と指摘したりして、「そうだそうだ、それではいかん」(一同納得)というような会議が、本当に存在しています。
こういう会議では、スタッフの方に結局丸投げになって、「うまくまとめておいてよ」となるケースが多いと思います。会議後、スタッフの方がコンサルタントに泣きつく・・・。そして、徹夜をして、何の成果もなかった会議の参加者の気持ちをくみ取りながら、なんとかそれらしく仕上げる。一同、それを見て、「うんうん、我々の言っていることがよくまとまっているじゃないか」と言ったりする。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。