ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
企画業務における世代間の誤解を解消するにはどうすればいいのか?
これに対する解は、経験ある40代から50代のビジネスパーソンが、本当の「ロジカルシンキング」を学び、若手ビジネスパーソンを導いていくべきだと思っています。そして、若手ビジネスパーソンのほうは、「ロジカルシンキング」を学ぶよりも、じっくりと経験を積んでいくべきだと思っています。
しかし、このように書くと、若手ビジネスパーソンからは単に「おじさんの説教」にしか見えない面があると思うので、その経験を高速で積んでいくために必要な方法論をこの本では提示していこうと思います。
もう1つ、示唆深いお話をしたいと思います。
投資会社から「大会社を再建する!」というのが、一時もてはやされたと思います。戦略ファーム出身のコンサルタントが投資会社から再建先の企業に社長として送り込まれる。若いビジネスパーソンはこういうターンアラウンドマネジャーみたいなものに憧れることもあったかと思います。
それで、とあるビジネス誌を読んでいたら、そういうターンアラウンドを任されて、投資会社から社長として送り込まれる人のインタビューが出ていました。
そのインタビューを読んで驚きました。
なんと、その社長は「ダメな会社を俺が再建してやる!こうすればいいんだ!」といったことが書かれていました。私は、「こんなこと言って大丈夫かな・・・」と思いました。
なぜだかわかりますか?
結論から言うと、この社長は大した成果をあげられず、投資先の社長をやめ、その後、その投資会社にも所属していません。
なぜか?
その「ダメな会社」と言われた会社にも既存のメンバーはいるし、これまでいろいろがんばってやってきたわけです。その人々の協力を得ないと、会社の再建なんてうまくいくわけもありません。先の「ダメな会社を俺が再建してやる!こうすればいいんだ!」といった発言はこういったことを踏まえているでしょうか?
記事によると、この方は、学部卒でコンサルタントになり、コンサルティング一筋でやってきた方だそうなので、こういった側面が弱かったのかもしれません。コンサルティングと経営は違う、という格言の具体例を見たような気分になりました。
真相はよくわかりませんけどね。
ただ、この話も、深く理解するには「経験」が必要な事柄ですよね。血の通ったビジネス経験はこういうことの重要性を教えてくれます。
ちなみに、この「経験」という解決策はあまりに地道なので、ビジネス書を仕掛ける方々は最近では誰も飛びつきません。せいぜい、偉人の伝記ですとか、大企業の社長の話とか、そういうところにしか出てきません。
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ロジカルシンキングを越えて
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。