ロジカルシンキングを越えて:5.仮説、論点をめぐる誤解

画像: ぱくたそ

2018.07.05

経営・マネジメント

ロジカルシンキングを越えて:5.仮説、論点をめぐる誤解

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。

成功事例を共有し、ともに情報を利用しあう。このほうが、そもそもコンサルタントに依頼して、ヒアリングをしてもらうよりも、すっきりしていていいじゃないか、と。こういうことを言うと、「コンサルティングのバリューはそういうものじゃないんだ」と反論する方がいらっしゃると思います。

私もそう思います。「コンサルティングのバリューは成功事例に追従することではない」と。それは一番安易な手段だ、と。しかし、人は常に安易な方向へ流れます。コンサルタントもクライアント企業もそういう安易な方向へ流れたがるものです。

ただ、成功事例の共有は、それはそれで1つの価値です。コンサルティングビジネスを続けるのであれば、それとは違った価値の提供が必要となるでしょう。

ただ、「他業界の成功事例」であろうとなんであろうと、なんでもいいので「仮説を立てる」ことによって、全体をつながりが見えてくるという効用はあります。仮の結論を置いたことによって、意味ありげだと思っていた事実の意味合いがくっきりと見えてくる。

それがまた、論点の精度を上げていくことに役立ちます。たとえ、最終的に仮説が棄却されて、全く違ったアクションが答えになったとしても、その仮説には意味があるわけです。そういう意味では「他業界の成功事例を仮説として採用する」のは意味があります。

したがって、当初の仮説には他業界の事例をそのまま持ってきたとしても、それはそれで構わないとも言えます。ただ、これは最低限のバリューしかないやり方であって、私はもっと別のバリューを出せる考え方、やり方があると思っています。長々と誤解について書き連ねてきましたが、次回で誤解についてまとめて、じゃあ、どうするの?というお話につなげていこうと思います。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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