ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
また、90点を目標としている生徒がいたとします。その生徒の点数が、30点、30点ときて、60点になった。これはこれでまた意味合いが違います。
おそらく、その生徒は「目標に少し近づいたぞ。でも、まだあと30点の点数をとらなければならない。この60点を当たり前にする勉強、90点までのギャップを埋める勉強をしなくては!」と思うことでしょう。
これだけ聞くと簡単そうですが、企業の置かれた環境の中で、日々起こる事実の自社にとっての意味を考えていくことは、それほど簡単ではありません。企業の過去と、今後の戦略的方向性、現状の認識なども必要になります。が、このあたりの技術はビジネス界には、決定的に普及していません。
論理学でいうと、これは「語用論」の領域です。学者でいうと、オースティンの行為論が有名ですが、日本で論理学と言うと、構文論にばかり傾斜し、意味論を考える人ですらごくわずかです。そして、語用論となると、学部レベルで知っている人はほとんどいません。まともにこのあたりを語れる人はほとんどいないわけです。
ひたすらにありがちな誤解を書き続けて恐縮ですが、もう少しロジカルシンキングについてありがちな誤解を書き連ねていこうと思いますので我慢してお付き合いください。まずは「違う」ということ「誤解」について明らかにしていきたいと思いますので。
次回はファクトベース、積み上げをめぐる誤解について書いていきたいと思います。
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ロジカルシンキングを越えて
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。