臨床心理学に基づいた面接方法「構造化面接」実践ポイントをご紹介します。 面接官によって評価にバラつきが出ることを避けるべく、Googleでは「同じポジションで5名の候補者と面接する場合は、その5名全員が同じ質問を受けられる」仕組みをつくっているとのことです。 「構造化面接」を実践し面接を仕組み化することで、採用確度が高まり、ミスマッチも防ぐことができるでしょう。
構造化面接法なら、面接官による評価のバラつきを抑えて、募集ポジションに最適な人材を効率的に採用できるのです。また、候補者にとっても公平な選考を受けられるというメリットがあります。では、構造化面接法を実践するには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
ここからは、Googleの事例を交ぜながら紹介していきます。
ポイント1 「行動面接」「状況面接」で候補者の志向と誠実さなどを見極める
Googleの構造化面接法は、「行動面接」と「状況面接」の2つを組み合わせて設計されています。行動面接とは、候補者の過去の行動を掘り下げる質問を投げかけていく面接のことです。行動は、候補者の資質や性格から生まれるもので、行動を分析すれば、その背後に隠れている真の能力や志向性、誠実さを測ることができます。たとえば、「あなたがこれまでの仕事でもっとも苦労した経験を教えてください」といった質問を皮切りに、当時の状況(Situation)、その時抱えていた課題(Task)、どのような行動(Action)をとったか、どのような成果(Result)が出たのか、順に掘り下げて聞いていきます。行動面接はこれらのアルファベットの頭文字を取って「STAR面接」とも呼ばれます。
行動面接(STAR面接)の質問例
Situation:状況
「どのような組織のなかで、どのようなチーム体制でしたか」
「そのなかであなたはどんな役割でしたか」
「どのような責任と権限を持っていましたか」
Task:課題
「どのような業務目標を掲げていたのですか」
「どのようなトラブルだったのですか」
「問題発生のきっかけは何でしたか」
「なぜ問題点に気づいたのですか」
「いつまでに解決しなくてはいけなかったのですか」
Action:行動
「その課題をどうやって解決しようとしたのですか」
「どのような計画を立てましたか」
「とった行動を順に聞かせてください」
「チーム内外とどのように関わりましたか」
Result:成果
「課題はどれだけ解決できましたか」
「どれだけ計画通りに実行できましたか」
「足りなかった部分は何ですか」
「成果に対する周囲の反応はいかがでしたか」
「取り組みの後、どのような変化がありましたか」
一方、状況面接は、「もし、○○な状況にあったらどうしますか?」という具合に、面接官側で設定した架空の状況に対して、どのように考え、行動するのかを答えてもらうものです。こちらも行動面接と同様に、具体的な話を掘り下げて聞いていくことにより本音を引き出し、候補者の本質に迫ることができます。
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