経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
「予測ではない」のです。しつこいですが、これがシナリオプランニングを理解する重要な要素です。つまり、未来構造のオプション、つまり未来構造の可能性の振れ幅を認識することに意味があるのです。
そしてSCPパラダイム的には、マクロ環境の変化は、あくまで業界構造の変化を通じて自社の戦略変数/競争要因及び、競争優位の源泉/強みに影響を与えるわけです。そういう考え方で、内部と外部の関係を整合的に見ていくのが、一般的な戦略概念ですからね。
そうするとね、ちゃんと業界構造の分析に基づいて自社のポジショニング/提供する価値/価値の生産プロセス/ケイパビリティが捉えられていないと戦略とは言えないんですよね。
なぜ、中堅どころの企業でシナリオプランニングが普及していないかと言えば、まともな戦略がある企業がほとんどないからですね。まともな戦略がないとシナリオプランニングの効果は半減してしまうからです・・・。
日本企業は戦略にカネを払いません。このまま行くと、戦略に湯水のようにカネを使う中国企業や米国企業にやられていくでしょうね・・・。残念です・・・。
業界構造の変化の振れ幅を把握することで、自社のポジショニング、自社の提供価値、価値の生産プロセス、ケイパビリティの変化の振れ幅を把握できて、何が起こったら何をしないといけないということがわかるようになる。これがシナリオプランニングを行う意味です。
このままの環境で行けば、自社の打ち手はこうなるというのが、既に立案した戦略に基づいてあるわけです。しかし、環境が変化した場合に、業界構造が変化し始めた場合に、どのような打ち手の変更可能性があるのか?その振れ幅はどれぐらいか?それをみんなで分かっておくことは、いざ激変が起き始めた時に慌てないために非常に重要です。
考え方はこれぐらいにしてざっくりとやり方を書いてみます。
考え方が分かればやり方も自ずから分かるだろうと思うのですが、なかなか分からないみたいです。やり方書かないとここまで読んだ人に怒られますからね・・・。
業界シナリオは7つのステップで作ります。
①業界構造に影響を与える不確実性を識別する
②不確実性の原因因子を確定する
③重要なシナリオ変数について一定範囲の妥当な仮説を作る
④個々のシナリオ変数に関する仮説を合併して内部的に整合性のあるいくつかのシナリオを作る
⑤各シナリオが描く業界構造を分析する
⑥各シナリオについて競争優位の源泉を確定する
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経営戦略構文100選(仮)
2017.05.12
2017.07.22
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。