経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
分からなければ、私にご依頼をば・・・。といってもプロジェクトはできて1年後ですけどね・・・。来年の年末までだいたい埋まってます。できて単発の研修でしょうね・・・。ごめんなさい。
さて、シナリオプランニングの起源は?という話から行きましょう。
シナリオプランニングは第二次大戦中の米軍で開発されました。ただ、そこから現在のシナリオプランニングになるのにいろいろと変遷を経ています。
当初のシナリオプランニングはこうなるだろうという単純な未来の予測です。その後は未来が確率的にどうなって変化していくかの分岐を考えるものへと変化していきました。
しかし、現状で戦略の領域で言うシナリオプランニングは、そういったものではありません。
ポーターは細かいので、ポーターの言うやり方に沿うと10個程度のシナリオを作らざるを得ませんが、2つのクリティカルな軸を抽出してマトリクスにして4個のシナリオで済ますこともあります。それで充分なんですね。なぜ充分なのか?を理解することが、シナリオプランニングの有用性を理解することになります。
結論を先に言うと、予測をするというのがシナリオプランニングの価値ではありません。予測をするためにやるのではなく、不確実性に経営陣が対処できるようになるためにシナリオプランニングをやるのです。「未来を予測したいんじゃない、不確実性に対処することに意味があるんだ!」がシナリオプランニングを使っている経営陣の本音なのです。
では、ポーターのシナリオプランニングの考え方について見ていきましょう。
まず、ポーターはマクロ経済動向についての予測を目的にするのはやめるべきと言います。では、何をすべきかと言えば、業界構造の変化についてのシナリオ「業界シナリオ」を作るべきだ、と言います。
ポーターの業界シナリオの定義は「業界の未来構造についての内部的に整合性のある見解のこと」です。業界の未来構造というは、業界の収益性がどのように変わるか?業界のファイブフォースの中でクリティカルな要素がどう変化するか?ということです。
構造が変われば戦略変数/競争要因が変わり、ポジションの取り方が変わりますからね。
それはつまり、業界構造の変化についての仮説が自社のポジションの取り方にどう影響を与えるのかについて因果関係を明示し、自社の対応についての仮説を持つということです。
また、ポーターは「業界シナリオは予測ではなく、未来構造のあるべき姿の1つである」とも言っています。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。