経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
これは戦略的には新たなケイパビリティを獲得する必然性を持つために必要な野心的な目標ということです。野心的な目標を掲げれば、できることを増やさざるをえませんよね。
これを突き詰めると、学習優位とか、タイムベース競争とか、そういう話になっていきます。いわゆるケイパビリティ戦略というやつですね。
マッキンゼーが好きな話としては、学習優位でしょうか。RBVまで戻るとウォーフォータレントとか。ボスコンが好きな話としては、ケイパビリティ戦略とかタイムベース競争でしょう。
ただ、自社の中でできることを増やし続けるのはさすがに無理がありますよね。
こういう時に、大企業の経営企画が考えそうなこととしては、「ケイパビリティを外部から調達すればいい」ということでしょう。そう、ベンチャーなどを買えばいいのです。買わなくても資本提携とか業務提携して、あれもして、これもして、ケイパビリティごと頂いてしまえばいいのです。
えげつないことをするかしないかは別にして、外部環境を補完的に見れば、自社とWin-Winな関係にあるケイパビリティを保有する企業もあることでしょう。というか、補完的に見ようと思えば、どんな会社も補完的に見えてくる面がある。
外部を代替的に見るだけでなく、補完的に見る。そうすると、未獲得のケイパビリティを活用することもできるかもしれない。
それがダイナミックケイパビリティ的な考え方ですよね。
最近では、自社で閉じたビジネスモデルを構築するというより、いろいろな企業と生態系を形成するような、いわゆるビジネス・エコ・システムの形成が流行しています。
もしも、企業が内側に閉じているというか、内向き発想であれば、なかなか、エコ・システムを外部との協業で形成しようとはなりませんよね。
野心的な目標、ストラテジックインテントは、ケイパビリティ獲得競争を生み出し、当初は内側の人材にいかにケイパビリティ獲得をさせるか、学習がポイントだと言う話だったわけですが、そこから、外部のケイパビリティ/資産でも活用すればいいじゃないか!という話になり、ダイナミックケイパビリティへと至るわけです。
そこには、当然、協業、提携、買収など、所有権がどうなるかの問題も存在はしています。代替性から完全に自由にはならないからですよね。ええ、ダイナミックケイパビリティと言いつつ、資本的に所有権がどうなるという論点が出てくるのは、代替性が存在しているからです。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。