経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
ええ、ポーターでも競争優位をもたらすものは内部にあると認識するんですね。ただ、これは市場の変化があると変わってしまうんですけどね。
ラディカルな経営者は「使えるもんはなんでも使え」という人が多いと思うんですけど、マーケットの変化が機会認識できるということは、使えるもんがあるということです。
ここで言う「使えるもん」は、それまで言っていた強みなのか?というと、「使えるという点で強みと言っていい」ぐらいにしかなりませんよね?だから、ケイパビリティ全体、バリューチェーン全体と捉えた上で、機会認識をした方がいい。伝わりますか?
既存事業で何を「強み」と設定していようと、市場の変化に対しては、使えないもんは使えないし、それを機会にぶつけられないですよね?活かせない。活かせるから「強み」なんですよね?マーケットが変化していく環境においては、使える、活かせることが大事ですから。
そうすると、そんな都合のいい変化はあるの?となります。ジョブズはそういう流れを待つタイプでしたよね。「大きな波が来るのを待っているんだ」という彼の言葉は象徴的です。
自社の「強み」が使える変化がくるのを待っていて、会社が潰れちゃったら困りますよね?
「使えるもんはなんでも使え!」とラディカルに言ったときに、必ずしも強みともいえないものを使えるなら使えばいいのです。それは自社のできることであり、ケイパビリティであり、バリューチェーン上の各プロセスの業務遂行能力です。
ただね、誰でも認識できる機会よりも、自社しか認識できない機会の方が価値が高いですよね?伝わりますか?
そうするとね、VRIOで言う、希少性と模倣困難性が効いてくる。希少で模倣困難なできることを、業務遂行能力を自社が有していたとして、その業務プロセスが活きるような市場の変化は自社しか認識できない機会なわけです。
ここで言うVは「市場の変化」に対して使えるという意味で価値があるということになっているわけです。そうVRIOは普段は現状で顧客に提供している価値の中で大きい部分やマージナルな部分を「強み」として規定するわけですが、市場の変化という面で見た場合に、変化に使えることが価値になるわけです。
価値概念って面倒ですね。
でもね、今の市場がそれほど変化しないのならば、時間的余裕があるならば、現状で顧客に価値を与えているプロセスが活きるような外部環境を探すのは間違ってはいません。ただ、使えるプロセス、ケイパビリティ全体であっても、問題はないですよね。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。