経営戦略構文100選(仮)/構文14:イノベーションのジレンマ

画像: ぱくたそ

2017.05.12

経営・マネジメント

経営戦略構文100選(仮)/構文14:イノベーションのジレンマ

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。

商品というソリューションが状況の違和感を完全に解決できるわけではないからこそ、市場の伸びしろのようなもの、潜在性のようなものを記述できるところにジョブ概念の画期的な部分があり、イノベーションとのつながりがあるわけですが、あんまり指摘している人を見たことがないですね・・・。

もうちょっと書けば、状況とは体験的であり、コト的です。YouTubeをちょっと見れば、JTBDの解説はわんさかあるので、米国ではもう流行し始めており、モノからコトへの転換が本格化しているのでしょう。しかし、日本ではけっこう切ない状況です。ほとんどの人は、モノからコトへの転換が分かっていない。「顧客ニーズ」とか言っているようではわからんのです・・・。

そして、利益が生まれる場所が移動すること、もクリステンセンは指摘しています。ベイン&カンパニーの言うプロフィットプールと似た概念なのですが、クリステンセンは本業集中に否定的であり、ベインは完全に新しい顧客に対して事業をすることに否定的なので、お互いの似ている部分について仲良く研究できない大人の事情があります・・・。

クリステンセンの場合、パラダイムが既存の考え方とだいぶ違うので、わかりにくいのですが、利益が生まれるプロセスは、顧客が求める機能に対して十分でないプロセスであると言っています。充分な機能が提供されるようになると、顧客はそのプロセス、商品に対してお金を払わなくなる。そして、利益が出る場所は移動する。どこに移動するかといえば、顧客が機能が十分ではないと思っているプロセスに移動するわけです。

これを垂直統合、水平分業と合わせて説明しているので更に分かりにくいというか、理論として面白いわけですが、ほとんどの人はこういった考えを必要としないので、誰もちゃんと説明しないんでしょうね。機会があったら書いてみようと思います。垂直統合、メイクオアバイは戦略の論点の1つですからね。

今日は長々と書いてしまいましたが、伝わりましたでしょうか?コンサルタントにありがちですが、詳細な説明が欲しければお金をください的な文章にも一見見えますが、私の意図としては書籍を読んで理解の試行錯誤をしてみてください、ですね。

それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。


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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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