経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
この現象というか、状況についての解説がバリューネットワーク等のフレームワークを使って事例豊富に書かれているのが「イノベーションのジレンマ」です。
ただ、この「イノベーションのジレンマ」を読んだだけでは、どうやってイノベーションを起こすのかが分からないということで、「イノベーションへの解」や「イノベーションへの最終解」が書かれているわけですが、実際にはこの2冊を読んでもどうやるかはわからないでしょうね・・・。
ただ、この2冊では、JTBDのフレームワークが導入されていて、既存のいわゆるクソな顧客志向とか市場細分化とか、そういうものへの反論として使われているように私には読めるのですが、誰もそういうふうには解説しないので、ちょっとだけそういう解説もしてみましょう。
JTBDを紹介している会社がJTBDを理解しているとは正直全く思わないので、ちょっとだけ解説を書こうかな、と思います。ジョブって何?という質問に「真のニーズ」とか言っているようでは恥ずかしさで憤死した方がいいと思っています・・・。こういうことを書くから恨まれるんですかね?キャラでしょうか・・・。
ただ、大人の事情でわかりにくく、しかし正しく書きます。ごめんなさいね。
クリステンセンは平均化した顧客の集団にフォーカスして考えることに否定的です。いわゆる顧客のセグメンテーションに否定的です。顧客の属性の分析に否定的です。それはイノベーションへの解や最終解を読めばそう書いてあります。しかし、ほとんどの人はパラダイムが違う導入部分が読めないため、そういうふうには読みません。
ジョブは顧客の状況に対して発生するものです。「状況に発生する違和感」です。クリステンセンは顧客単位で見るのではなく、状況単位で見ることを主張しています。ジョブは状況に依存して発生するのであり、顧客に依存して発生するとは考えないことに意味があります。
状況とは、どちらかというとハイデガーっぽい考え方です。「このハンマーは小さい」と大工の親方が言えば、お弟子さんはもう少し大きいハンマーを持ってきますよね?ジョブは状況に生じる違和感で、商品はそれに対するソリューションなわけです。
商品はソリューションですが、ジョブに完全に合致するわけではない。状況の違和感を完全に解消できるわけではない。そして、競合は必ずしも同じ製品カテゴリとみなされるものではない。ポーターの言う「代替品の脅威」も含めたものが競合だと本格的に認識するのがクリステンセンのジョブ概念をベースとしたマーケティングの考え方です。
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経営戦略構文100選(仮)
2016.10.28
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。