2016.07.18
愛犬・愛猫の長生きの秘訣とは…?「うちの子に嫌われないホームデンタルケア」~イヌとネコとヒト。口の中を比べてみる~
武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
3歳以上のイヌ・ネコの80%以上が「歯周病予備軍」といわれています。この予防には歯磨きはじめ「ホームデンタルケア」が大切です。今回はヒトと比べながら、イヌとネコの口腔内を知ることで、ホームデンタルケアの大切さを知っていきましょう。
■”共通点”と”相違点”を知っていますか?
獣医師が、ヒトの歯科医大学に学びに行くほど、ヒトの動物の歯は共通点が多いです。もちろん、異なる点もあります。まずは共通点からお話しします。
<共通点>
「二生歯性」といって、乳歯から永久歯に生え替わります(ウサギも同じです。齧歯類は「一生歯性」です)
歯の構造は、ほぼ一緒です。(エナメル質、象牙質、歯肉、歯槽骨など)
<相違点>
- pHは、理科の時間に習った、「ピーエイチ=酸性度」です。
- イヌの口の中は、アルカリ性です。虫歯にはなりにくく、歯周病になりやすいです。
- アミラーゼ、これも理科の時間に習った記憶がありますか?唾液に含まれる、デンプンを糖に変える酵素です。ヒトの消化は口から、イヌの消化は胃から始まります。
- かみあわせは、歯の形を見ていただけるとわかりますね。ヒトは平らな形。イヌは鋭いハサミ形をしています。
- のみこみ方は、ヒトはよく噛んで細かくしてからですが、イヌは、飲み込める大きさにまで切り裂いて、のみます。
- 図にはないですが、歯の本数も違います。ヒトは32本、イヌは42本、ネコは30本です。
これらのことから、ヒトとイヌでは、歯の重要度が違います。イヌは、歯周病が酷くて歯がぐらぐらになっていたら、抜いてあげたほうが、むしろ楽なのです。ドライフードは、1本も歯がなくてものみこんで食べてしまうのですよ。驚きますよね!
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「うちの子に嫌われないホームデンタルケア」の基本とコツ
武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
ペットホスピスをつくるために地方移住予定/うさぎと暮らすペットヘルパー/認定動物看護師。老齢動物介護/グリーフケア/ペットマッサージ