1986年の今日、スペースシャトルチャレンジャー号が打ち上げから73秒後に空中分解し、クルー7名が死亡しました。32カ月の計画中断を余儀なくされることとなった大事故でした。
今日、1月28日はスペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故があった日です。
スペースシャトルの実運用2機目のオービタ(軌道船)であった「チャレンジャー号」は、1986年1月28日(日本時間29日)打ち上げのわずか73秒後に空中分解しました。爆発事故として伝わっていましたが、正確には空中分解だったそうです。機には7名のクルーが乗船しており、全員死亡の大惨事となりました。
2011年に終了したアメリカのスペースシャトル計画は、使い捨てのロケットに代わり、再利用可能なスペースプレーンを使うことによるコスト削減と資源の再利用を考えた宇宙開発計画でした。事実、外部燃料タンク以外、総重量の約90%の部分が回収され再利用されるという画期的なものでした。1960年代後半から開発が始まり、1981年に初めて「コロンビア号」が打ち上げられ、無事帰還を果たしました。
「チャレンジャー号」は1983年の初飛行から、初の夜間の打ち上げ・着陸を含む9回のミッションを成功させています。1986年のこの打ち上げのときには、高校教師であるクリスタ・マコーリフさんが一般人として搭乗していて、地球周回軌道上から「宇宙授業」を行う予定でした。そのため、アメリカの多くの学校でテレビ中継を見ていたそうです。
直接の事故原因は、固体ロケットブースターの部品の一つだった密閉用Oリングが破損したことによるものでした。密閉が失われたため高温・高圧の燃焼ガスが周囲に漏洩し、機体の構造的な破壊を生じたのです。しかし、この事故の原因究明を行った「ロジャース委員会」は、『事故の根本原因はNASAの組織文化や意志決定過程にあった』と結論づけました。以前からOリングの致命的な欠陥を知りながら適切に対処しておらず、『NASA幹部は打ち上げスケジュールを維持するために安全規定をしばしば無視していた』と。
「チャレンジャー号」と「コロンビア号」の2機を事故で失い、長期間の計画中断を余儀なくされながらも、有人宇宙輸送の中心的存在として活躍しつづけたスペースシャトルは、ISS完成を待ってその役目を終えました。危険性が高く、予定より大幅にコストがかかる結果となったシャトル計画ですが、その成功と失敗は、宇宙開発の次につながる貴重な遺産となったことでしょう。
今日は何の日
2016.01.22
2016.01.25
2016.01.26
2016.01.27
2016.01.28
2016.01.29
2016.02.01
2016.02.02
2016.02.03