1890年(明治23年)の今日、日本で初めて電話が開通しました。90%を超えていた固定電話の世帯普及率は今、75%まで減少しました。
今日、12月16日は「電話創業の日」です。
1890年(明治23年)の今日、日本で初めて電話が開通したことに由来します。この日、東京で設置された電話はわずか115台、9名の女子交換手でのスタートでした。かけそば1杯1銭の時代に、東京~横浜間の通話料が5分間で15銭という贅沢なサービスとしてスタートしました。
電話は昔からどの家にもあったようなイメージがありますが、実際には、あまり普及ていませんでした。世帯普及率で見ると、1955年(昭和30年)時点でわずか1%程度、1970年(昭和45年)頃にようやく50%を越えますが、1978年(昭和53年)になってようやく70%程度でした。ふつうに家に電話がある生活は意外と最近の出来事なのです。
そして、現在(2014年末)、固定電話の世帯普及率は75.7%です。ただしこれは、1990年代から90%を超え続けた後、2010年頃からの減少傾向による結果です。携帯電話の世帯普及率はすでに94.7%、スマートフォンで64.2%になっています。2010年のスマホ普及率は7.2%ですから、恐ろしいほどの速さです。
そもそも「固定電話」という言葉自体が、「携帯電話」の対義語として後付けで作られた言葉であるように、「携帯電話」の登場は情報通信の世界を大きく変えました。いまや総務省の統計にも電話というカテゴリはなく、「ICTサービスの利用動向」の「情報通信端末」の一つにしかすぎません。まさに隔世の感ありです。
確かに一人一人が携帯端末を持っているので、各家庭で「固定電話」を置く必要はなくなりつつあります。おまけに「固定電話」にかかってくる電話は、オレオレ詐欺に代表される特殊詐欺やセールスばかりで、まったくありがたみがありません。いまのところ、世帯主の年齢が60歳以上の家庭での固定電話普及率は相変わらず90%を超えているため減少傾向はゆるやかなようですが、今の高齢者がいなくなる頃には、固定電話はかなり珍しいものになっているのかもしれません。
(世帯普及率については、昭和55年版科学技術白書、平成27年版情報通信白書を参照しました。)
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