「障害は不自由であるが、不幸ではない。障害者を不幸にしているのは、社会である。」このヘレン・ケラー氏の言葉の意味をきちんと考えたい日です。
今日、12月9日は「障害者の日」です。正確には、「障害者の日」でした。
1975年の今日、国連が「障害者の権利宣言」を採択し、完全参加と平等をうたったことを記念して、1981年の国際障害者年に「障害者の日」は設けられました。その後、2004年の障害者基本法の改正により、12月3日から12月9日までが「障害者週間」となったため、法律上「障害者の日」はなくなっています。
障害者基本法(昭和45年法律第84号)においては、基本的理念として、すべての障害のある方に対し、「個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する」こと、「社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる」ことを宣言するとともに、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」ことを明らかにしています。( 内閣府 )
この「障害者週間」と呼応するように12月4日から10日は「人権週間」ですが、まさに障害者の「人権」を守りましょうという週間です。
一口に障害者といっても千差万別、状態にも状況にも個々それぞれ大きな違いがあります。いわゆる健常者と「同じようにできること」が「平等」ではないのだということを理解しないと、なかなか個々の人権を守ることはむずかしいでしょう。「平等」というのは「同じ」ではなく、選択肢があるということです。障害があっても、なくても、誰もが自分が望むように自由に生きられる権利こそが「人権」です。
そして、『国や他人が義務を果たすことによってのみ、権利は外側から実現する(「人権ってなに?」より引用)』ものです。「障害は不自由であるが、不幸ではない。障害者を不幸にしているのは、社会である。」このヘレン・ケラー氏の言葉は、まさにそういうことではないでしょうか。
最後に、INSIGHTNOW!に掲載された純丘曜彰教授の「人権ってなに?」という記事をご紹介したいと思います。この記事を読むと「人権=自由と平等」を守ることがなぜ難しいかが、よくわかります。そして教授はこう結んでいます。
『空気を吸うように、我々は、日頃、あらゆることでなんらかの人権侵害をやらかしてしまっていると思った方がいい。他人の自由と平等のための余地をより広く空けてあげられるように、せめてむだに他人の人権を侵害していたりすることがないように、この一週間、身の回り、毎日のことを見直してみよう。』
ひとりひとりが、小さくてもできることから変えていこうということだと思います。心にとどめておきたい言葉です。
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