終わりよければ、すべて良し。大晦日をどう過ごすかは、結構、大切なことである。花火が打ち上がるカウントダウンを、彼女とともに、一流のホテルで過ごしたなら・・・翌年も、きっと安泰だろう。 しかし、その予約は、人気のスポットであればあるほど、なかなかに難しい。念願は叶えられない。不発に終わる。
2回目の電話は、担当である田代さんとダメ元で話すことが肝心。ちゃんと電話をしてくるお客様であることを担当の方に認識さしもらう。そこまでして予約したいんだという意志を伝えて、担当者の方をこちらの味方にするのである。
そして、1回目の時より、さらに具体的な要望を相手に開示する。相手が、こちらのことを具体的に考えてくれるようなな時間をつくるのである。
そうして、3回目の予約電話。
このタイミングの測り方には、想像力が必要である。大晦日のイベントのキャンセルは、いつ出やすいのか・・・。考えてもらいたい。家族やカップルの年末の最大のイベントは、クリスマスである。そこでは、悲喜交々な出来事が起こる。さらに、仲良くなる夫婦やカップルが増える一方で、、、決定的にダメになる出来事が起こるのもクリスマスなわけである。
・・・ということで、大晦日のホテルのイベント事のキャンセルが出るのは、クリスマスの直後なわけである。他人の不幸が、自分の幸せになるチャンス。だから、クリスマス直後の12月26日に3回目予約の挑戦をする。
絶好のタイミングで
3度目の正直。
自分→覚田です。田代さんは、おられますか。
ホテル→はい田代です。覚田さまですね。
お電話、お待ちしておりました。
実は、今朝、キャンセルが出ておりまして、
しかも、覚田さんの希望していた部屋が・・・。
自分→それは、よかったぁぁぁ。
ホテル→キャンセル待ちをしておりませんので、こちらからお電話をすることができませんでしたが、、、お電話をいただき嬉しゅうございます。
いかがなされますか。
自分→田代さん、ありがとう。もちろん、予約させてもらいますよ。
めでたしめでたし・・・。
この方法が100%成功するわけではないと思うが、この3度の予約電話作戦には、戦略的にたくさんの示唆がある。
結局、円滑な仕事をするためには、相手を味方につけろということである。自分の情報や状況を、何度かに分けて伝えて共有する過程で、自分の達成するべき目標を相手にも共有してもらう。クライアントと対峙するのでなく、巻き込み同じ方向を向くようにする。よく言われる話であるが、「戦略」とは、文字通り「戦いを略す」こと。戦うのではなく、いつのまにか、相手が味方になっていること。そのためには、巻き込むステップに合わせて、ひとつの電話やメールを疎かにしないことが肝心なのである。
前述のペンシルの覚田社長は、特に、仕事の依頼を受けた直後の1本の簡単なメールが大事だという。次の仕事のアクションを事前に伝える1行のメールが、その仕事の正否をわけるという。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
世相と事件を読んでみる
2014.05.26
2014.01.08
2012.07.01
2011.12.13
2011.07.23
2011.06.21
2011.06.20
2011.06.12
2011.05.04
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。