第64回NHK紅白歌合戦が開催されたのは、先週の火曜日。綾瀬はるかの天然色豊かな司会っぷり。まさかの大島優子の卒業宣言。あまちゃん復活リレー劇。巷には、語り足りないことが、まだまだあるようだ。
そういう個人的感想を抜きに驚いたのが紅白の勝敗を決する得票差があまりに大きいということであった。なぜ紅白≒男女の得票に、こんなに差がつくのか?会場だけではなく、その傾向が視聴者投票に、顕著に現れているのでご覧いただきたい。
第64回NHK紅白歌合戦結果発表
http://www1.nhk.or.jp/kouhaku/
ご存知のとおり、結果は、白組の圧勝だった。客席審査委員は、紅組864票、白組1836票。視聴者審査委員は、総合計で、紅組444,908票、白組698,670票。紅組の1.6倍もの票を白組が獲得している。
視聴者投票を見てみると、デジダルテレビからが452,190票。その他スマホ等のモバイルツールからは、215,262票。その紅白の得票の内訳は、紅組62,184票、白組153,078票。紅組の2.46倍もの票が白組に。
前半部と後半部で見ると、中間投票で紅組209,239票、白組266,887票で僅差であったものが、視聴率が跳ね上がる後半部で、最終的に紅組235,669票、白組431,783票と白組が1.83倍の差をつける結果となっている。
パソコンやモバイルツールからの投票行為は、きっと若年の女性参加率が高いと予測されるので、自ずと白組が有利になる。しかしながら、第64回NHK紅白歌合戦には、AKBグループからAKB48、SKE48、NMB48の3組、さらに、ももクロにE-girls・・・。女性アイドルグループ枠の充実で、男性オタクの票もガッチリ得られているはずである。なのに・・・この差は?どうしてなのか?第54回から第64回までの紅白の10回分の勝敗を見ても、白組が7勝3敗。なぜ、いま歌の世界では、男の方が強いのか? を考えてみる。
①自分で作って歌う人材の絶対数が違う。
第64回NHK紅白歌合戦の出場歌手は、紅白合わせて51組。そのメンツを見たら一目瞭然なのだが、自分で作って自分で歌ってる人の数が、圧倒的に白の方に多い。紅には、歌わされているヴォーカルばかりなのである。
歌のうまい素人や芸人のカラオケ番組が成立する時代である。歌で表現する素人が増えている。歌をつくるツールも簡単に手に入る。歌を聴く人よりも、歌を歌ったり、歌をつくったりする人が多くなっていく中で、聴くに耐えるのは、自分でつくった歌を自分で歌っているメッセージ性や言葉である。そういう観点からも、白≒男の方に、「歌の力」があったと判断できる。この傾向は、さらに明確になっていくと考えられる。
次のページ②「歌の力」に自覚のないアイドルへのアンチテーゼ。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。