格差の壁をぶっ壊せ!(前)

2011.10.26

ライフ・ソーシャル

格差の壁をぶっ壊せ!(前)

寺西 隆行
(株)Z会

『格差の壁をぶっ壊す!』(堀江貴文/宝島社新書)を読んで感じたこと。前編です。

僕と堀江氏は同じ年。高校生の時にバブルのピークを迎え、大学時代に崩壊したという時代を生きてきています。
きっと僕らの世代以降の人は、それ以上の世代の人に比べ、「収入に合わせてリーズナブルに消費を楽しむ」ことは上手なんだと思います。
なぜなら、社会人時代にバブルを経験しているわけではないので。

僕はいまだに、近くのスーパーで半額になった惣菜を購入し、その日の夕食で食べることが、なんともいえない楽しみです。
貧乏くさい、と言う人もいるかもしれませんが、当の本人は別に無理しているわけではなく、それが楽しいからやっているだけなんです。

そして、このような行動を純粋に「楽しい」と思える心持ちを持った人は、30代以下の人間には結構いるような気がします。

日本全体が保守化して、イノベーションが生まれなくなったからといって、個々の人や企業までが手をこまねいていては損するばかりだ。保守化してじっとしていても、「所得格差が拡大して、自分も食えなくなるのではないか」という共同幻想に巻き込まれ、幸福感を感じられなくなるからだ。
ここで打破すべきキーワードは「無難さ」。自らの周りにある無難さをぶち壊していくことが、格差幻想打開への第一歩だ。

無難であることを求めることが、格差を必要以上に気にし、幸福感を感じられなくなる、という見方は、斬新なようで、良く考えると、大変論理に適っていますね。
人生、何があってもおかしくない、とか、人生は自分で切り開いていくんだ!という心持でいれば、人と比較する、という気持ち自体が薄れますので、格差を気にすることもなく、幸福感はより強くなるのかもしれません。
そして…確かに僕自身も、誰かに守られて「無難」でありたい、という願望がほとんどないため、格差も気にしませんし、人より幸福感を感じられているのかも、と思ってしまいました。

私は若いころに、ヒッチハイクでよく旅をしていた。(中略)半面、今、人に「助けてくれ」とうまく伝えられない人が多いように感じる。特に「能力的にたいしたことないなぁ」と思うような人に限って、「何かを守らなければいけない」というプライドが強く働いているように見えるのだ。

格差を気にし、ねたむ人は、自らその格差を縮める工夫をしていない傾向があること、僕も感じます。
そして愚痴の矛先は、「国」や「格差の上にいる人」たち…つまり「批判されることが当然だ、と、自分と同じような境遇にいる人に感じられやすい対象」に向かいます。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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