震災対応のみならず、コスト削減、海外市場開拓の必要から、調達-製造-在庫-配送のグローバル化が今後不可避となってくる。つまりサプライチェーンがグローバルに規模を拡大しながら、より複雑になっていく。この拡大・複雑化するサプライチェーンをどのようにマネジメントしていけば良いのだろう。パナソニックの取り組みからそのヒントを探る。
製造が海外に出ていけば、現地調達ならびに近隣諸国からの海外調達が更に加速する。海外工場向けの調達・購買ボリュームが多くなると、日本に調達本部を持つ意味が薄れ、材別に世界的産地に調達・購買拠点を置く動きが当たり前になっていくだろう。
これらの動きが意味することは、調達-生産-在庫の各拠点ならびに配送ルートのオプションが増加すると共に、規模が日本国内からより世界的なものに拡大することを意味する。何れの方向もサプライチェーンの更なる複雑化に働くものである。
東日本大震災で多くの企業が自分達が思っている程、自社のサプライチェーンのことを把握できていないことを痛感したはずだ。これまでの効率性に加えて、リスクマネジメントやクライシスマネジメントの視点も自社のサプライチェーンマネジメントの中に織り込まなければならない。その上で、拡大・複雑化のマネジメントもしていかなければならない。
貴社のサプライチェーンマネジメントはこの拡大・複雑化するペースに果たしてついていけるだろうか?
この難しい課題を成し遂げるには、調達-生産-在庫-配送のサプライチェーンを、日本重視というバイアスが掛からない目でグローバルに俯瞰し迅速に最適化していく組織能力が不可欠だ。パナソニックの今回の調達・ロジスティクス本部機能のアジア移転は、そうした流れを踏まえたものと見受けられる。中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長
調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます