Only Oneになる課題探索型ビジネススタイル

2011.04.23

経営・マネジメント

Only Oneになる課題探索型ビジネススタイル

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

競争力向上や営業力向上のために「提案型ビジネス」を強化しているけれど、なかなか提案がお客様に受け入れられず苦労しているという方が多いのではないでしょうか。実は今、世の中のビジネススタイルが一気に変わりつつあります。そこでいま一度、お客様のニーズの持ち方が大きく変化してきたことを再認識し、そして「課題探索型」というビジネススタイルを意識することで新たな可能性を切り拓くきっかけになればと思います。

 そこで、これから必要になるビジネススタイルが「課題探索型」です。顧客がニーズを認識してから繋がりを持つ「提案型」のスタンスから、もっとさかのぼって「課題を探す」ところから顧客と一緒になって進めるというスタンスにシフトするというものです。

 例えば製造業の中小企業では、匠の技を活かして「技術顧問」的な立場で普段からメーカー担当者の相談に乗ることで、信頼関係を構築して、切っても切れない関係(顧客にとってのオンリーワン企業)になっているケースが多々あります。

 また、完成品メーカーにおいては商品を売るだけでなく、保守サービスの強化やITを活用した相互の情報交換を積極に行い、顧客の「相談役」になるべくサービス事業開発に注力する企業が増えてきています。

 課題探索型ビジネススタイルのポイントは、「身内になる」ということです。その第1歩として、自社の強みを認識した上で、顧客の業務を知り、一緒に仕事をし、思いを共有することが大切です。

 そしてもう一つ、「顧客との信頼関係構築」や「サービス事業開発・強化」に目からウロコの気付きを与えてくれる新たな考え方として、サービスサイエンスというものがあります。科学的かつビジネスの視点で「サービスの理論」や「顧客満足の仕組」を明確にすることでサービス力強化を実現する方法で、当初はコールセンターやIT業界での活用が中心でしたが、最近ではその他のサービス業や製造業でも活用が進んでおり、企業変革の新たな方法論として成果を出しています。

 サービスサイエンスについての記事は今後掲載していこうと思っています。どうぞご期待ください。





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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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