セブン-イレブン・ジャパンが、1月中旬から、全国のセブン-イレブン店舗にステッカー式の誘導標識を順次導入する。これは、これまでの電気照明のものを電気が不要なステッカーに置き換える優れものだ。
セブン-イレブン・ジャパンが、1月中旬から、全国のセブン-イレブン店舗にステッカー式の誘導標識を順次導入する。誘導標識とは、あなたもホテルや映画館で目にしたことがあるだろう、走る人の姿をデザインした緑色の避難誘導灯だ。
セブン-イレブンによると、同社はこの誘導灯を電気が不要なステッカー式の誘導標識「アルファ・フラッシュ」に置き換える。2011年中だけでも、新店や直営店舗を中心に約8000店舗に導入し、順次導入店舗を拡大していくとのことだ。
このアルファ・フラッシュ、誘導灯ではなく誘導標識と書いた通り、これまでの電気照明ではなく、誘導標識のデザインを施したステッカーだ。2009年9月に消防法が改正され、消防法の設置基準を満たせば、小売店舗、工場、ビル等では電気式誘導灯ではなく、消防認定標識で代替できるようになった。アルファ・フラッシュは消防設備認定標識となっている。
アルファ・フラッシュの開発元はエルティーアイ。同社は、太陽光や蛍光灯などのエネルギーを吸収して発光する蓄光原料を応用した高輝度蓄光式製品の開発・製造を中心としている企業。製品の発光能力(輝度)を高める所や発光時間を長くする所に同社の技術がある。同社は国内で初めてステッカータイプで消防法告示第5号に基づく高輝度蓄光式誘導標識として消防設備認定を取得している。セブン-イレブンが今回導入する避難誘導標識もこの技術を用いたものだ。
誘導灯をステッカータイプの誘導標識に代替することにより、
■ 電気の使用量、電気代がゼロ
■ メンテナンスが不要
■ 誘導灯の上から貼るだけであれば、設置も簡単
といったメリットがある。
新店などの新規設置ならば、
■ 設置が簡単で施工が不要に
といったメリットもある。誘導灯1台あたり年間148KWhの電力使用量の低減となり、セブン-イレブンの計画であれば、8,000店の導入で年間約118万KWh、全店(2010年12月末:13,007店)導入で年間約193万KWhの電力使用量の低減となる。
なお、映画館やホテルといった施設によって、或いは地階など消防法の基準により誘導灯の設置が求められる場合があり、すべての誘導灯がステッカータイプの誘導標識に代替できる訳ではない。また、代替には所轄消防署の事前許可が必要なことに留意する必要がある。
素材の選定やデザインによる自然採光、からくり仕掛けといった物理機構の利用により、電力を使用せずに済ませるというのも環境経営の着眼点の一つであることを、今回のケースから学ぶことができる。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます