前回は、人から知識を得る方法についてお話しました。今回は、「本」から知識です。読書に関しての名言は多く存在します。「読書は、たくさんの人生で大切なことを教えてくれる」「日頃どんな本を読み、どんな人と接しているかで、その人の人生が決まる」・・・ 本への投資を惜しまないこと、そして、多くの本を読むのではなく、ひとつの本を2回3回と繰り返し読むことで深く内容を理解することができるのです。
■□■ 1テーマで3冊以上読む ■□■
私の読書の師匠と言える、作家の中島孝志氏は、「キラーリーディング」という著書の中で、こう言っています。
「一冊一冊をきっちり消化し、今抱えている問題の解決に活かすヒントを必ず掴み取る読書をするべきだ」
「楽しんで終わりの読書を『知的消費の読書』と言い、仕事を改善し、成果を生み出す読書を『知的生産の読書』と言う」
常に、その時々の学びのテーマを持って生活することは、充実した毎日を送るひとつのポイントです。このようなテーマのある読書をしたいと思います。
現在の学びのテーマに沿った本を3冊以上は読んで、そのテーマを自分のものにするつもりで取り組むと、数年後にはひとかどの人物になっているはずです。まずは、今学びたいと思うテーマを3つ掲げてみてください。そしてそのことについて3冊ずつ本を選び出してください。書店に行っても、アマゾンで検索してもいいでしょう。
そしてその9冊の本を読破してみてください。テーマを持って読書することの素晴らしさを体感できるはずです。それが「知的生産の読書」につながります。
■□■ 本の予算を優先する ■□■
「本に投資するのは一番安上がりな、それでいてリターンの大きな自己投資」
名言だと思います。本は本当に安いと思いませんか。その道の専門家が、時間と労力とコストをかけて掴み取ったエッセンスを、千数百円で学ぶことができます。
自分に投資するのを惜しむのは愚かなこと。自分を成長させる道具には、徹底してお金をかけることです。成功している人たちに共通しているのは、自分を成長させてくれる本や教材に関しては、躊躇することなく、お金に糸目をつけずに手に入れて、挑戦するということです。ウサ晴らしに飲みに行く回数を減らして、テーマを持った読書に回す。常に本に関しての予算を優先することです。
■□■ 「多読」よりも「多度読」 ■□■
昔は、長い休みともなると、本を山ほど買い込んで日頃読めない本を読もうと努力したものでした。
会社に買い置き(積読)している本をわざわざ宅配で送って、読もうとしたり、実家に帰るときも先に送る荷物の中に本を入れて送ってまで読もうとしていました。
とにかく「多読」
しかし、独立してから、本の読み方が変わりました。
「多読」の正式な反対語が出てこないのですが、同じ多読でもたくさん読む多読ではなく、何度も読む「多度読」(?)に切り替えたのです。
これは、という本を5~7回ぐらい丁寧に読む。
いろんな本を5~7冊読んで浅くいろいろなことを知っているよりも、自分の血となり肉となるこれはという本を繰り返したほうが、自分というものを作り、生き方を安定させ、心安らかになるのです。
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「スター社員の仕事術」
2010.11.10
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。