ナレッジマネジメントの仕組みはもちろん大切なのですが、組織の中で最も価値あるノウハウ共有の方法は、実は「互いに教え合うこと」なのです。教え合うということは、「教え上手」であり、「教えられ上手」である必要があります。
■□■教え上手になる ■□■
互いに教え合うことは、ノウハウ共有のためだけでなく、一人ひとりの学びのレベルを上げることにつながる意味あることです。
「三人の学習」という言葉があります。
「三人の学習」とは?
誰かから学んだ内容を自分の理解だけで完結せずに、三人目の誰かに教えることによって、三人目の人の学びに役立つと同時に、自分の理解度の向上にもつながる、ということ。
単に聞いて学んだだけでは、記憶への定着が1割から2割であるものが、誰かに教えることによって7割から8割まで上がると言われています。
誰かに「教える」ことは、単なる学びではなく、「誰かに教える」という行動、体験に発展することで自分のものになる度合いが大きいということです。
誰かに教えることは、実は自分との対話になっています。
自分が学んだことを人に伝えることは、自分の理解度のバロメータになるのです。
学びを誰かに効果的に伝えていくための「教え上手」の3つのポイントに触れておきましょう。
①ポイントを絞って伝えること
いくつも伝えたいことがあるわけですが、あくまでもポイントを絞って、一回に理解できるユニットで伝える必要があります。
初めて聞く話しは、理解しにくいのは当たり前ですから、これから何を話すのかを提示しながら話すと理解の助けになります
例えば、「これから話す内容のポイントは3つあります」「その3つというのは・・・・・」といった要領です。
②三人の学習を意識して教える
教えられた方が、さらに次の人に伝えることができるレベルの理解を引き出すつもりで
教えます。次の人に伝えやすいようにシンプルに分かりやすく伝えることが絶対的に必要です。
③難しい言葉を使わない。
専門性が高すぎないように伝えなければ伝わらない部分が大きくなります。
できるだけ専門用語を減らして、平易な言葉で伝えるのが基本です。
■□■ 教えられ上手になる ■□■
どこにでも「うちの上司は教え方が下手だ」とか、「うちの先輩は何を言っているかわかりにくい」などという不満を言う若手社員がいるものです。
実はこういう人を「教えられ下手」と言うのです。
学び上手なメンバーが多い組織は強いものです。なぜかというと、互いに教え合う文化ができている可能性が高いということです。
仕事上、研修やセミナーなどを通じて、誰かに何かを伝える機会が多いのですが、そういう立場でどんな人に「教えたくなるか」を考えると、それが「教えられ上手」ということだと思います。
【「教えられ上手」3つのポイント】
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。