エコ、エコだけではモノは売れない。凸版印刷の調査から

2010.08.20

経営・マネジメント

エコ、エコだけではモノは売れない。凸版印刷の調査から

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

凸版印刷が推進するソーシャルプロジェクト研究会が、このたび環境意識と購買動向の調査結果を発表しました。 この調査結果からは、現時点では、エコ、エコと謳っても、モノは売れないということが伺えます。 では、売れないからといって、環境負荷低減、環境経営の歩みを止めて良いものでしょうか?

加えて、エコとデザイン、コスト低減は相反するものではありません。環境負荷低減は、ムダを省いていくことであり、ムダのないものは美しい、カッコいい、いわゆる機能美につながっていきます。また、コスト低減の最も効果的な方法は、ムダを省くことです。つまり、環境負荷の低減を追求していくことは、より洗練されたデザイン、より低価格での商品の提供をもたらすことになります。

エコ商品が企業が思っているほど評価されないのは、エコ、エコとアピールすることが、余計に胡散臭い、カッコ悪い、買い物をしていて説教をされているようで楽しくないと消費者に感じさせていることによるのではないでしょうか。

エコ、環境負荷の低減、環境経営は、企業努力であって、努力はアピールするものではありません。特に、日本の市場では自己アピールはあまり評価されないばかりか、反感を呼ぶことも少なくありません。たとえどれだけ貴社が環境負荷の低減に努力していたとしても、それを直接訴えるのではなく、購入者に求められるデザイン、品質、価格、購入時のワクワク感、購入後の愛着といった購入者の直接のベネフィットに訴えかけなければなりません。今の所、エコについては、消費者にメインで訴えかけるのではなく、興味を持った購入者が調べてみると実はエコだった位に留めておいた方が、反対に驚きを以って迎えられ、より良い評価につながると今回の調査結果からは伺えます。

努力は裏で行い、消費者には、デザイン、品質、価格などで訴える。それで貴社の商品・サービスがお客様からより多くの支持を集め、結果として環境負荷の低減につながれば、信念を持って環境経営を行っている企業にとっては、それだけで十分でしょう。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、調達・購買活動から環境経営に貢献する方法は数多くあると、環境負荷を低減する商品・サービスの開発やそれを支える優良なサプライヤの紹介など環境調達に関する情報発信活動を行っている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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