企業向けにコンピュータ・ソフトウェアの販売/サポートを行う株式会社アシスト。今でこそ女性を戦力にする企業は多いが、アシストでは1980年代の創業間もないころから女性の活躍が目出つ。現在、そのトップが森沢久美子。社内の女性社員、そして営業マンが手本とする森沢のこだわりの「自分磨きの仕事術」とは。
■解決策は常に現場にある
43歳で関連会社からアシストに戻って取締役に就任し、2006年、常務取締役に。「偉くなりたいと思ったことは一度もないけれど、ポジションがあがると責任が増える分、裁量も大きくなる。すると自分のやりたいことを具現化できるスピードも速くなる」
大手旅行代理店に入社した当時、幻滅したのは、いくら企画を考え、実行したいと提案してもそれが採用されることはほとんどないという現実だった。アシストに入ってそのハードルは低くなったとは言え、やはり一社員の頃は上司の説得に時間がかかった。取締役になれば、そのハードルはほとんどなくなる。
森沢はよく現場第一主義、という言葉を使うが、それは解決策が現場にあると考えるからだ。「お客様の声は現場が知っているし、解決策も現場にあると思う。そして経営会議がいろいろ決めたとしても実践するのは現場で、現場と接点がある人がそれを理解し、実践していかなければお客様満足度は上がらないし、問題も解決されない。だからこそいろんなアイデアや改善策、そういうのも現場からどんどんあがってきて欲しい」。だからこそ常務となった今も森沢は様々な現場からのアイデアを真摯に受け止め、最優先の取り組みとして経営判断に活かし続けるのだ。
■森沢の考えるワークライフバランスとは
やりがいのある仕事を深夜まで行い、出張も多かったのでとくに結婚願望はなかったという森沢だが、38歳の時に結婚する。相手は仕事を通じて知り合った、具体的に言えばアシストのお客さんで、顧客とベンダーという関係から付き合いが始まった。
『相手は奥様を亡くして男手1つで子供を育てていた人。当時私は関連会社の社長職で会えるのは週末だけ。パートナーという関係で週末に会えればいいし、もし結婚するならお子さんが成人してから、とビジネスウーマン的な提案をしていたのだけど(笑)』と森沢。
ところが、『週末に会える、ではなく、結婚して週末に自分のところに帰ってくる、というほうが心が落ち着く。もちろん家事をするのは週末だけで良い。それに大変かもしれないが子供たちと家族として一緒に暮らした日々があったほうが、成人後に結婚するよりきっとうまくいくから』と逆提案されて結婚に踏み切ったという。
こうして仕事一筋だった森沢は家庭と家族という癒しを手にする。『振り返ると大変な時期もあった。でも結婚して本当によかった。家事は気分転換になるし、私自身は子供は生まなかったけれど子供たちが結婚して孫ができてからは家族の暖かさ、家庭の居心地の良さを実感している』
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