アシストのイクメンの考える、新しい“働き方”

2010.12.22

開発秘話

アシストのイクメンの考える、新しい“働き方”

喜田 真弓

厚生労働省によると、現在、約3割の男性が「育児休業を取得したい」と希望している一方で、実際の取得率は1.72%にとどまっているという。この、男性の育児休業取得率を10%まで引き上げる、というのが少子高齢化対策を進める厚生労働省が掲げている目標である。

夫の家事や育児への参加時間が、妻の就労継続や第二子の出産にも影響してくる、という統計データも厚生労働省は示している。日本の男性が家事や育児をする時間が他国と比べて低いことはいまさらな事実だが、都市部を中心に核家族化が進み、共働きも一般的になっている今日、育児はすべて妻任せでは、あまりにも女性への負担が大きい。何よりも子育てという素晴らしい体験を父親がシェアできないことは、人生体験における大きな損失だろう。

アシストは、他社と比べて特に際立った人事制度を提供しているわけではない。しかし女性社員の活躍(常務取締役3名中2名が女性)と、“産休・育児休業の取得率が100%”という数字を見ると、“女性活用”が声高に叫ばれるこのご時世において、それが実践されていることの象徴と言えるかもしれない。社員約800名のうち、女性が約230名、そのうち現在15名が出産または育児休暇をとっており、育児休業から復帰後短時間勤務をしている者が7人いる。.

朝倉高志は都心から離れた東京都立川市に、専業主婦の妻と2歳半の息子との3人暮らし。元保育士の妻の「3歳になるまでは自分の手で育てたい」という希望から、子どもを保育園に預けることなく、妻は仕事を辞め、子育てに専念している。

「保育園に預けず、終日つきっきりで子どもを見ているのは、心身共にとても大変なこと。妻の負担を少しでも軽くしてあげたいという思いと、せっかくの子育ての機会を妻任せにするのは“もったいない”という思いから、平日の残業を減らして家事や育児に積極的に関わろう、と日々取り組んでいたが、思い通りにいつも早く帰れるわけもなく、ジレンマを感じていた」

2009年7月、アシストで在宅勤務制度が導入され、朝倉はすぐに上司に希望を出す。
「週1日とは言え、往復2時間の通勤時間を子どもと過ごす時間に充てられる、というのは貴重。幸い、上司や周囲の理解も得られ、それ以来ずっと在宅勤務制度を継続利用している」

在宅勤務を始めてみて、朝倉はすぐにそのメリットを実感したと言う。

「朝夕の通勤時間を家事や育児に充てるなど、有意義に過ごせる。妻も朝のゆとりができたことを喜んでくれているし、自分も子どもの笑顔に接する時間が増えて子育ての充実感が増した。何よりも、平日に3食、家族でゆっくり食事ができることが嬉しい」
「思わぬ効用だったのが、在宅勤務がとても良いリフレッシュの機会にもなる、ということ。満員電車で立ち続けて通勤するストレスや疲れがないので、朝から気分良く仕事が始められる。水曜に在宅勤務をした週は、週末に疲れが残りにくく感じる」
では、デメリットはなかったのか。

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