戦後の高度成長期からマーケット競争の構造は複雑化しました。それは、現在の会社組織の鏡に映る姿です。今の組織体に求められていることは、時代の変化に対応した「社員の持ち味と潜在力」なのです。今回は、その時代背景に沿ってお話します。
組織風土、企業文化、企業風土・・・・・。
組織と企業と、風土と文化と、4つの言葉の組み合わせで色々な言い方がされ、飛び交うようになりました。要は風土や文化で経営を語る時代がきているということです。
■□■ 競争の構造が変わった ■□■
もちろん以前から概念も言葉もあり、意識していた経営者もいたのですが、現在ほど注目されていませんでしたし、そのことを経営課題にする必要性も現在ほど高くはなかったと思います。
それは、なぜでしょうか。
それは、ビジネスの競争の構造の変化と関係すると考えます。
もちろん競争の構造が変わったのは昨日今日のことではなく、戦後の高度成長時代を経て、消費ニーズが飽和状態になったあたりから、緩やかに続いている現象です。
競争の構造は、複雑化しました。
生活の向上が消費の動機の大半であった時代は、「生活者の求めるもの」を「大量」に「安く」が、商業の基本であり、生産も流通も小売も、それを基本に回っていました。
消費ニーズがほぼ飽和した後に待っていたのは、「消費の先取り合戦」です。
大競争時代には、消費のニーズを探っていたのでは間に合いません(というより消費ニーズはなくなった)。
マーケティングの矛先は、消費ニーズを突き止めることではなく、ありもしない消費ニーズを「作り出し」「提案する」ことに大きく変わりました。
消費ニーズを作り出し、気がついていない大衆に提案していく時に求められるのは、時代を先取りした生活スタイル提案であり、商品やサービスに物語性があるということであり、マスではなく「個」にスポットを当てるということです。
必要のない先取りした商品ということは、要は必需品ではなく嗜好品的だということ。
嗜好品の宿命は「飽きられる」ということです。
飽きられるということは、商品のライフサイクルが短くなるということ。
商品のライフサイクルが短いということは、開発におわれるということを意味します。
かくして産業界は、大いなる「開発戦争時代」を迎えたというわけです。
それはメーカーであれ、サービス提供企業であれ、同じことです。
・変化のスピードに対応できた企業だけが生き残ることができる
・消費者(B to Bの場合は顧客企業)に選ばれる独自性のある企業だけが生き残ることができる
競争力のコアが確実にこの二つになったということです。
■□■ 社員の持ち味と潜在能力 ■□■
そう考えていくと、競争力の変化のスピードをとらえて対応していくための、そして、選ばれる独自性を生み出す源泉は何かということが、問題になってくるのです。
次のページ■□■ 家族経営→個の経営→組織力経営 ■□■
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
人事組織
2010.07.07
2010.06.23
2010.06.16
2010.06.09
2010.06.02
2010.05.26
2010.05.19
2010.05.06
2010.05.06
今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。