2010.05.10
『キズナのマーケティング』を斬る!(後)
寺西 隆行
(株)Z会
ソーシャルメディアマーケティングを扱った書籍として、現在かなり売れている『キズナのマーケティング』(池田紀行/アスキー新書)の書評です。 ※なお、「斬る!」は、所属会社(Z会)が入試分析などを行うときに「東大入試を斬る!」という言い方をし、それに似た形の書評になりそうだったので、合わせてみました。
もし、志が強い会社のマーケティングを「ソーシャルメディア」で解決する術が書かれているのであれば…
筆者(池田紀行さん)の会社に依頼して完成、そして本書にも登場するダイガクエスト、もっと盛り上がっていて然るべきですもん。
※ダイガクエスト
http://www.daigaquest.jp/
自分で言うのもなんですが、誰からも「想いが強い」という僕の「今の自分でできること」の範囲で、想いをありったけ込めたサイトですから。
ダイガクエストの投稿者として、志がある人、そして、広告スポンサーとして、志がある会社。
ここで述べるのが適切かどうかわかりませんが、どんどん集まっています。僕の元に。
ですが、その人の志をマーケティング的に最大化させることにまだ成功していないし、初動としては「失敗」と言える書き込み数になっています。
ということは、マーケティングの「技術」としてはまだまだのサイトなんです。
もちろん志のある人の想いを沢山受けているだけに、現状に申し訳ないと想いつつ、これだけの人が集まっていればまだまだ盛り上がる可能性がある、それを最大化するのは自分の使命、と思い、どんなマーケティング的な施策が打てるか、日々研究しています。
話を戻すと、「キズナ」を「マーケティング」に活かす本として、本書は弱いのではないかと思います。
「マーケティングは顧客創造ということ忘れていないか?」というタイトルだったらわかるんですけど。
そして、前半はこちらで述べた事例…つまり、メルマガに始まった僕のwebマーケティング人生を振り返ると、肝心なことが抜け落ちているんです。
僕がメルマガを始めたキッカケの中には
1.その当時の会社の欠点を補う活動である。
2.その当時の自分の立場でできる活動である。
という2点があって、“結果的に”ソーシャルメディアマーケティングをかなりやる人間になっていたんですけど、それには
3.1・2を補うものとして、ソーシャルメディアマーケティングはかなりいい。
ということなんだと思います。
メルマガ、そして、ブログを書く、他の人のブログにコメントを入れる…これって「広告宣伝・マーケティング担当」じゃなくても、誰でもできますから。
メルマガから始まった「編集者の立場でのマーケティング」が「ブログ」という「ソーシャルメディア」に発展したら「マーケティング効率が上がった」ということで。
この視点が本書には欠けています。
つまり、
次のページ「キズナのマーケティング」での私の反省は、池田さんの「...
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
書評
2011.10.26
2011.10.26
2010.05.10
2010.05.10
2010.05.10
2010.03.21