組織には、機能する上司とそうでない人がいるが、その違いは一体何のか。陥らないために何をするべきかをご紹介する。
先日、ある研究会で「上司とは?」という禅問答のようなコーナーがありました。このように、わかっているつもりというか、当たり前だと思っていることについて、あらためて自分に問いかけてみることは大事なことですね。研究会の中身は書けませんので、今回は自分なりに「上司」について書いてみたいと思います。
さて、上司には2種類の上司がいるんじゃないでしょうか。
ここでは、上司を「管理職」という意味合いで言ってるわけなんですが。
「機能している上司」と「機能していない上司」の2種類の上司がいます。機能していない上司とは、給料もらって会社には来ているけれども、いてもいなくてもいいという上司。機能してる上司とは、信頼され、尊敬されている上司であります。
上司は、いつも信頼されていなければならない。
上司は、いつも尊敬されていなければならない。
これは絶対条件であると、ボクは思っています。信頼と尊敬がなければ、共感が生まれない。共感が生まれなければ、上司は組織の核になりえない。
信頼とは、裏切らないということ。「この人のことだから、こういう風にしてもくれるだろう」という期待を、いつも裏切らないということ。「この人の言うことだから聞いてみよう」という気になる話をいつもしていること。「この人は言っているだけでなく自らやっている」と、言行一致の人であること。実は、尊敬とは、そうした信頼の積み重ねから生まれる感情なんですね。
もう一つ大事なことに「信頼のジャンプ」という言葉があります。信頼にはジャンプする瞬間があり、その瞬間を迎えれば信頼が強固になっていきます。それでは、それはどういう時なのでしょうか。
「普通に考えたら、それはできないだろう、と思われることを上司がやってのけた時」「普通に考えたら、そこまではやらないだろう、と思われることを上司がやってのけた時」その上司への信頼はジャンプして、尊敬に変わります。
例えば、難攻不落と思われた大口案件のプレゼンに上司が臨み、見事に受注してきた、とか。商品開発のブレストで、はまりにはまって暗礁に乗り上げかけた会議を、上司がものの見事に再整理して全員の目の前が開けた、とか。部下の一人が不振にあえいでいる時に、なじるような言葉を一切言わずに見守り続け、商売のネタのヒントを与え、地道な努力で立ち直らせた、とか。目標達成を諦めかけていたところへ、上司の人脈で立て続けに受注を積み上げ、奇跡的な目標達成をもたらした、とか。社員が不慮の事故で長期入院を余儀なくされて、精神的にも落ち込んでいる時に、退院するまで毎日手紙を書き続けた、とか。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
人事組織
2010.05.19
2010.05.06
2010.05.06
2010.04.28
2010.04.28
2010.04.21
2010.04.21
2010.04.15
2010.04.15
今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。