組織活性化④ 組織の慣性

2010.01.13

経営・マネジメント

組織活性化④ 組織の慣性

星野 善宣

大きな組織であればあるほど、急は方向転換、改革にはズレが発生します。やろうと思っていることになかなか事実がついて来れず、このズレは広がっていきます。

ズレの原因としてイメージしやすいのが、「慣性」です。
大きな船が方向転換したり、急に止まったりは出来ませんよね。これは、慣性が働いている為です。
「現在の運動を継続しようとする性質」

組織にも慣性と類似した力が働きます。
大きな組織ほど、この慣性を意識した計画・スケジュール立てが必要とされます。事前に思った通りには、多くの場合進みません。その為、ズレが発生することを前提として、途中で修正するポイントを設定しておくことも必要とされます。

中途半端なムリな力で解決しようとしても、慣性に引っ張られてしまうことがあるので注意が必要です。

ここまで慣性の注意点を書いてきましたが、逆を言うと、この慣性を超える力を伝えることが出来れば、組織変革は進めることが出来るのです。変革が結果に繋がらない多くのケースは、この力を伝えきる前にチャレンジを止めてしまったり、方向を変えてしまっています。
(ベンチャー企業の変革スピードが速いのは、この慣性が小さい為でもあります。)

組織の慣性を理解しておくことで、何を注意すべきかが見えてきます。
1.そもそも組織には慣性が働いている。 ⇒ 気づきにくい維持する力が働く。
2.慣性の「力」は大きさに比例する。 ⇒ 組織規模が大きいほど注意が必要。
3.慣性が働きにくい状態とは ⇒ 活性化した状態(個単位で目的に向けて動く状態)

慣性、慣性力については、多くの方が高校の物理の授業等で勉強されたことがあると思います。企業、組織について考えるとき、こういった物理や化学といった観点はヒントになります。

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