組織活性化③
マネジメントの処方箋

2009.11.04

経営・マネジメント

組織活性化③ マネジメントの処方箋

星野 善宣

企業に所属している限り、「マネジメント」という言葉を何度も耳にして、自分でも口にしたことがあると思います。あなたの認識している「マネジメント」とは何ですか?

「マネジメント≒管理」と考えられる方が意外と多いですが、管理はマネジメントの一つの要素でしかありません。
マネジメントを要約するならば、
「組織の特有な目的・使命に対して、行動、成果につなげること」です。(これは、マネジメントの祖とも言えるドラッカー氏の考え、様々な書籍などを参考に、私なりに纏めさせて頂いた定義ですが。)

今回、この場でマネジメントについて全般的にお話しするには、あまりに幅が広くなってしまうので、ポイントを実際のケースを参考として、ご説明させて頂きたいと思います。

マネジメント手法については、様々な説明があふれているので、逆に迷っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そこで見落としてはいけないのは、「何のためのマネジメントなのか」です。目的がなければやり方をどんなに工夫しても具体的成果につなげることは出来ません。

ある企業のケースです。

以前は部下をマネジメントして期待された成果を出していたのに、立場(昇格)が変わってかららマネジメントが出来なくなった方がいました。何が変わったのでしょうか。

昇格前は具体的な指示をスタッフに出して、課題を一緒に解決することでスムーズに業務を進め業績を上げていました。それが昇格後に変わったのは、スタッフが増えたことにより具体的指示に意識が回らず、伝達事項が多くなり、メールでの指示が増えていきました。その結果、スタッフとのコミュニケーションは薄まり、いつの間にか信頼関係も失っていました。

これは立場が変わったことにより、多人数を管理するやり方にばかり目がいってしまい、どうしたら成果に繋がるのかをきちんと認識せずにいたことに問題がありました。

相手を見ていなかったわけです。

スタッフの立場では、その方がしていた現場指導をしてくれるリーダーのポストにポッカリ穴が空いてしまった状況だったのです。成果につなげるこのリーダーの役割がいなくなったことをすっかり見失い、やり方にばかり目がいっていたことが、このケースでの大きな問題です。

こういった経験はありませんか?

繰返しになりますが、大切なのはやり方ではありません。共通の目的に向けた「成果」に繋げることです。

「どうしたら成果に繋げられるのか」

こういった視点を大切にしてマネジメントを考えてみて下さい。

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