多くの企業で社員モチベーションについて課題を感じ、対策を考えられています。 しかし、この課題設定ははたして適しているのでしょうか?
ある企業の社員が
「こんなクレーム対応ばかりでは、モチベーションが上がりません。」
と、行ってきた場合、課題はモチベーションでしょうか?
違いますよね。
クレームがなぜ起こるのか、2次クレームを引き起こしていないか、本当にクレーム対応ばかりをしているのか、など、もっと違う課題に真因があることも予想されます。
この例は極端ですが、実際に多くの企業が「モチベーション」という言葉で課題をごちゃ混ぜにしてしまっているケースを多く目にします。その中で注意が必要なのは、社員自らが「モチベーション」という言葉を普通につかってしまっている場合です。
モチベーション≒動機ですから、この言葉を動機付けに悩んでいる本人が、上司などに普通に口にしていたとしたら、「やる気ないんですけど、どうしましょう?」と言っているようなものなので、そのモラルの欠如のほうが問題です。
そこで当社が重視している点が「活性化」です。
モチベーションが個人に帰属する要因に対する考え方であるのに対して、あくまで活性化は「組織」を主体として考えます。その組織がどういった目的に向けて活動しているのか、行動の指針は何なのかを明確にし、共有できるようにすることで、そこで働く「個」は、共通認識と、自己同意により活性化していきます。
逆を言うと、同意出来ない人は、その組織から離れる判断も容易に出来る状況にすることでもあります。前回、組織活性化①で書かせて頂きましたが、「そもそも、その組織に所属すべき個であるのか?」が、ズレている個人のモチベーションはいずれ維持出来なくなります。
それならば早く離れる判断が出来た方が、企業にも個人にも適しています。
と、ここまで読んで頂くと、まるでモチベーションは無視していいように思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。
「企業は人」と言われますが、確かにその通りです。
どんなに戦略を練っても、それが実行出来なければ価値はありません。戦略は、それを実行する人を無視しては成り立ちません。戦争であれば、全員に強い共通目的(勝、守る、生き残る)があり、絶対の命令系統があるので、実行する個人のモチベーションは深く考えなくてもいいかもしれません。しかし、企業では、組織の実行力、スピードにモチベーションが大きく関わっているのは事実です。他者企業より早く戦略を実行し続ける為には、個人のモチベーションを考えないわけにはいきません。
ご存知の方も多いかと思いますが、株式会社リンクアンドモチベーションさんは、「モチベーションエンジニアリング」によって「個」と「組織」を結び付けるコンサルティングをされています。
やり方、方向性、サービス内容は違いますが、当社も学ぶことは多く、素晴らしいサービスを提供されていると思っています。
長くなってしまいましたが、纏めます。
モチベーションは活性化の一要因です。
どのレベルで課題設定するかが重要で、「森を見て、木を見ず」、「木を見て、森を見ず」にならないよう課題を把握しましょう。
組織活性化
2010.02.12
2010.01.27
2010.01.13
2009.12.16
2009.11.04
2009.10.19
2009.10.05
2009.09.25
2009.09.15