いつしか「エンタの神様」も「爆笑レッドカーペット」も見なくなった。我が家の子供たちの話題といえば『爆笑レッドシアター』である。視聴率の伸びを見る限り、、、どうも、その傾向は、全国区のようだ。何が面白いのか考えていくと・・・そこにはあるべき組織論が見えてくる。
③司会者ではなく・・・支配人が居る。
そして、『爆笑レッドシアター』を語る上で一番重要なのは、この番組の支配人である「内村光良(ウッチャン)」の存在である。
ウッチャンと言えば・・・1989年から放映されたウッチャンナンチャン、ダウンタウン、野沢直子、清水ミチコが競演していた伝説のコント番組『夢で逢えたら』で一世を風靡し、お笑い第三世代として台頭。その後も、「笑う犬の生活」などのコント番組をリードしてきた。さまぁ〜ず、TIM、ふかわりょうと絡んでいた深夜番組「内村プロデュース=略称内P(うちピー)」は、未だ人気が高く、DVDの販売も好調のようだ。
『爆笑レッドシアター』内での支配人・内村光良は、若手のコントに時々参戦はするが、そのほとんどは、ニコニコ笑って寸評をするだけである。でも、その目線は、きついダメだしではなく、、、「こいつらバカだなあ」「しょうがねぇなぁ」という空気を醸していて、温かい。
エンタの神様や爆笑レッドカーペットには、司会者や観客は居るのだが、、、「見守る&育てる」役割の人がいない。『爆笑レッドシアター』内での支配人・内村光良は、そういう役割の親分であり、リーダーであるのだ。だから、若手芸人達は、親分に笑ってもらおうと必死に考え、演じている。若い芸人が安心して大暴れできるのである。
こうして考えると・・・
『爆笑レッドシアター』の人気の秘密は、支配人・内村光良を親分とした「組織力」にあるのだと言えそうだ。
エンタの神様や爆笑レッドカーペットは、ショートネタを発信する番組スタイルが受け入れられたのだと思う。しかし、そのスタイルは、誰もが真似られる。
その点、『爆笑レッドシアター』は、番組スタイルではなく、「組織」としてお茶の間に受け入れられている。だから、きっと、誰にも真似られない。支配人・内村光良ありきの組織で戦う番組になっているのだ。優秀な面白い「若い組織」である。だから、この番組からは、きっと、優秀な独立組が生まれてくるはずだ。
「夢で逢えたら」「笑う犬の生活」など、伝説のコント番組をリードしてきた「ウッチャン」の、シチュエーションコントを愛し続ける気持ちや深い経験が『爆笑レッドシアター』という「組織」を支えている。最近の若手は覇気がないとお嘆きの上司の方々は、お笑い番組を見比べることをお薦めする。そこには、若い才能ある人達をまとめるヒントが落ちている。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
私的マーケティング論
2009.09.29
2009.09.22
2009.09.21
2009.09.18
2009.09.15
2009.07.23
2009.06.14
2009.06.12
2009.05.30
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。