月間利用者数約1900万人、掲載アイテム数5000万。日本最大の購買支援サイト『価格.com』が好調だ。世界的不況の中でも利用者は増え続け、業績も安定している。創業以来、着実な成長を遂げ、ホテル予約、グルメ、マンションなどさまざまなジャンルへと進出する株式会社カカクコム。その事業の柱である『価格.com』成長の秘密に迫る。
とはいえ一定数以上のユーザーが集まってくると、メディアとしての価値が生まれるのもネットのイノベーティブなところ。しかもサイトにアクセスしてくるユーザーは基本的に、ある特定のニーズを持っている。
「サイト立上げから1年ほど経ち、それなりのユーザー数を集められるようになってきた頃に初めて『広告募集のお知らせ』をサイトに掲載。価格.comの集客力を理解していただいていた一部の店舗さんからバナー広告を出してもらえるようになり、価格.com初めての収入が生まれました。何しろ槇野さんは丸1年間、収入も休日もゼロで働いていたので、これで広告が入らなければ諦める覚悟だったようです」
ただし、安定した収益を得るためには、一部店舗だけでなく価格.com掲載全店舗から広く広告を集める必要があった。また、当時は販売店からの価格登録システムも完成しておらず、販売店に対する価格.comの認知も不十分だった。
「もちろん話を通すためのハードルは高かったようです。激安の有力店ほど『なんで広告を出す必要があるのか、何もしなくても価格情報を掲載してくれるんじゃないんですか』となかなかご理解いただけなかったそうです」
極めてもっともな反応である。しかし、そうした一部の店舗の不在を認めてしまうと、今度は逆にサイトの存在価値が問われることになる。なぜなら、激安店の価格情報が欠けていては、お客様にとって重要な情報が抜け落ちることになるからだ。
「このジレンマを乗り越えるために槇野さんは、相当苦心されたらしいです。でも、この問題も結局はお客様が解消してくださいました」
参加を拒んでいた販売店さえもひっくり返してしまった力とは一体、何だったのだろうか?
⇒次回「価格.comを支えるConsumer Generated Powerの威力」へ続く(全四回)
『株式会社カカクコム 関連リンク』
株式会社カカクコム:http://corporate.kakaku.com/
・購買支援サイト「価格.com」:http://kakaku.com/
・高級ホテル・旅館の予約サイト「yoyaQ.com」:http://yoyaq.com/
・ランキングとクチコミのグルメサイト「食べログ」:http://tabelog.com/
◇インタビュー:竹林篤実/清水優太 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:村山裕章 ◇撮影協力:ピクスタ㈱
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FMO第27弾【株式会社カカクコム】
2009.09.29
2009.09.15
2009.09.08
2009.09.02