任天堂の岩田聡社長と宮本茂専務は4月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を行った。ビデオゲーム市場動向や海外でのニンテンドー DSiの販売状況、『Wii Sports Resort』の発売日や京都文化博物館で実施されるニンテンドーDSを利用したガイドサービスについても言及。会見の内容を詳細にお伝えする。[堀内彰宏,Business Media 誠]
一番大事なポイントは、さっきお話したように「使う人が快適に使えること」。そして、「使う人はDSだけを持ってくればいい。ソフトを買わなくてもいい」、これも大事なポイントです。そして、このサービスのシステムが非常に低価格であること、学校の先生がポケットマネーで買えるくらいの値段になるように、非常にシンプルな仕組みを作っています。
最後に、先生の問題や博物館の音声データなどを、例えば学芸員が自分でパソコンで作れたり(すること)、ソフト製作会社に依頼しなくても簡単にエディットできる仕組み、これがそろって初めてサービスが具体的になります。当然、これはビジネスでやっているわけなので、それで便利になった分、「1人1台、みんなDSを持ってもらおう」ということが究極の目的です。
それから『Wii Fit』が今、世界中で評価してもらっていますが、メタボ問題というのは日本の各企業でも深刻な問題です。「メタボ対策をちゃんとしないと健康保険料が上がる」という現実的な問題もありまして、いろんな企業でメタボ指導、健康指導のようなことをされています。この健康指導に『Wii Fit』の仕組みを使ってもらえるように、「Wii Fit からだチェックチャンネル(参照記事)」というアプリを作って、企業さんと徐々に相談を始めているところです。
「じゃあ、僕(宮本氏)は普通のゲームは作っていないのか」と言われるのですが、ちゃんと普通のゲームも作っています。今日は(開発している)たくさんのゲームの具体的な名前は申し上げられないのですが、2008年のE3で発表した『Wii Sports Resort』(参照記事)ができあがって、「日本では6月に売りたいな」「海外では7月に売れたらな」と準備をしています。詳しい値段や発売日などは各支社の方からまた発表がありますので、そちらの方で聞いていただけると思います。
「どうすればウィッシュリストの1番にしてもらえるか」が大事
質疑応答では金融不況の影響や、携帯電話との競争、生活にDSを取り入れる上での問題点などについての質問が投げかけられた。
――任天堂のビジネスは景気後退の影響をあまり受けていないようですが、景気の影響を受け始めた時、どんな対策を行うのでしょうか? 値下げはされるのでしょうか?
岩田 リセッション(景気後退)の時に、ウィッシュ(欲しいもの)リストの1番にあるものと、ウィッシュリストの3番、5番、10番にあるものは影響の受け方が全然違うと思います。任天堂が幸いにして世界の経済環境の変化をあまり受けずに来ているのは、「DSや Wiiをウィッシュリストの1番として『欲しい』と言っていただけるお客さまの数が多かったからだ」と私は思っています。
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