任天堂の岩田聡社長と宮本茂専務は4月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を行った。ビデオゲーム市場動向や海外でのニンテンドー DSiの販売状況、『Wii Sports Resort』の発売日や京都文化博物館で実施されるニンテンドーDSを利用したガイドサービスについても言及。会見の内容を詳細にお伝えする。[堀内彰宏,Business Media 誠]
「いろんなサービスをDSを持ち歩くだけで受けられたらなあ」
宮本 自分の趣味に合わせて『nintendogs(参照記事)』や『Wii Fit(参照記事)』など(のゲーム)を作ってきたことで、「今、僕が何に興味を持っているか」をいつも聞かれます。今、僕が非常に興味を持っているのは、DSを街の中で持ち歩くといろんなサービスが受けられるという環境です。美術館に行って音声ガイドを受けたり、ショッピングモールに行ってちらしのクーポンを持ち歩いたり、地図をもらったり、「いろんなサービスを自分がDSを持ち歩くだけで受けられたらなあ」というのが1つの夢なのです。
「DSを持っていれば、生活が便利になる」というのが今の僕らのテーマです。大事なことは、ソフトを買わなくても、DS本体だけを持っていればそのサービスが受けられる(ということです)。これを実現するには、(解決しなければならない)テクニカルな問題がいろいろありますが、本格的にゲームを作るのと同じようなエネルギーをかけて、そういう仕組みを作ってきました。
ちょっと話が昔に戻ってしまうのですが、ファミリーコンピュータがたくさん売れた時に、いろんな業界の方から「この機械をネットワークに使いたい」「勉強に使いたい」といったいろんなオファーがありました。DSも同じく、例えば「病院で使えないか」「学校で使えないか」とか、世界中からいろんなオファーを受けています。
エレクトロニクスの機械なので、できるようにするのは簡単なのですが、できたとしても使う人が快適に使えないと意味がありません。ですから快適に使ってもらうために、我々はいろんな仕組みを準備して、任天堂がそれをいろんなサービス事業者の方に提供していこうとしています。
例えば、任天堂のソフトを買ったり、Wi-FiコネクションでゲームしたりできるDSステーション(参照リンク)というサービスがあるのですが、同じサービスをあるお店に行くとできるようにします。また、ショッピングモールにDSを持っていくと、ショッピングモールの地図が分かったり、いろんなお店の最新情報が分かったりというサービスを準備しています。まだ具体的に名前は挙げられないのですが、近々いろんなものが発表されていくことになると思います。
それからさっきお話したように、美術館や博物館に行ったらガイドサービスを受けられる(システムを開発しています)。京都文化博物館(参照リンク)で 4月28日からサービスを開始します。また、学校や塾で、先生が教室の中でPCとDSを使うだけで生徒に問題を送ったり、生徒がどれくらい理解しているかという情報が得られたりする、すごくシンプルなシステムを作っています。これも、いろんな学校に提供していく予定です。
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DSで生活が便利に!任天堂社長と専務がゲーム機の今と未来を語る
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