DSで生活が便利に。任天堂社長と専務がゲーム機の今と未来を語る:1

2009.04.28

経営・マネジメント

DSで生活が便利に。任天堂社長と専務がゲーム機の今と未来を語る:1

ITmedia ビジネスオンライン
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任天堂の岩田聡社長と宮本茂専務は4月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を行った。ビデオゲーム市場動向や海外でのニンテンドー DSiの販売状況、『Wii Sports Resort』の発売日や京都文化博物館で実施されるニンテンドーDSを利用したガイドサービスについても言及。会見の内容を詳細にお伝えする。[堀内彰宏,Business Media 誠]

(※1)サードパーティ……他社のOSや機器などに対応する製品を作っているメーカーのこと。

 この事実から、「サードパーティのソフトで、任天堂のプラットフォームで売れているものはほとんどない」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それは正しくありません。下図左は同じくNPD Groupのデータで、先日サンフランシスコで開かれた「Game Developers Conference(参照記事)」での私の基調講演でも使ったもので、2008年のハードウェアごとのソフトの売り上げを比較しています。サードパーティは最も多くの売り上げをWiiで記録しており、2番目がDSです。さらに、サードパーティのソフトの売り上げを企業ごとに分類して眺めると(下図右)、「サードパーティのソフトは任天堂のプラットフォームでは売れない」という推測は必ずしも正しくないことが分かるでしょう。

 欧州市場も同じような傾向です。下図は英国、フランス、ドイツでのゲームの売り上げの変化を表しています。4年分しかデータがありませんが、欧州市場は米国市場と同じように、この2年間で急激に拡大していることが分かります。米国と同様に、市場の拡大に対する任天堂プラットフォームの貢献度も高いです。

岩田 ゲーム人口を増やすために我々が取っていた戦略は、パラダイムシフトとも呼べるビデオゲーム市場のドラスティックな変化を引き起こしました。しかし日本では、このゲーム人口の増加というパラダイムシフトは、ほかのどの国よりも早く起こっていました。そのため我々は、2008年前半には「既存の方法論では、この勢いを持続するのは無理だ」と感じてきていました。

 そこでDSのマーケットを再び活性化させるため、2008年11月1日にDSiをリリースしました(参照記事)。任天堂はDSを「所有者の生活を豊かにするマシン」と位置付けました。DSiは「『1家に1台(のDS)』から『1人に1台(のDS)』へ」を目標として開発されました。

 携帯型ゲーム機は個人で所有するものと普通思われているでしょうから、「『1人に1台』とは妙な目標だな」と思われるかもしれません。しかし私たちの調査によると、1台のDSが家族の複数人によってシェアされているケースが多いことが分かりました。「ゲーム人口を増やす」ためには、「これまで全くゲームをしたことがなくて、WiiやDSを初めてのゲーム体験として購入する」という人を増やすことが大事です。しかし、「所有者の生活を豊かにするマシン」という目的を達成するためには、家族でシェアするものから個人の所有物へと変える流れを作ることが重要です。

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