ここ数年、我が家で話題になっているラジオ番組がある。福岡の某小学校に通う小学三年生の娘が、学校でその話題をしたところ・・・実に、6人中4人が、その番組を知っていたというのだ。「安倍きゅゅゅん」に「刈谷ドS」と呼び合うラジオドラマに、子供達が反応している。これはこれは、企画屋として見逃せないぞ。
安部礼司が番組の度にブログを更新するという設定になっており、番組終了時にブログに常に誘導。
最近、そこでは、安倍礼司と安倍優の遅い結婚披露宴へのリスナーのお誘いが掲載されている。実際に、今週末の3月8日の夕方から、渋谷C.C.Lemonホールでリスナー参加の披露宴パーティーが行われるようだ。そして、今週末8日17時から始まる番組は、その披露宴パーティー前のドラマが繰り広げられ、リアルな渋谷のイベントへと誘導されていくことになるのだろう。
これって、ラジオを核にした効果的なクロスチャネル戦略である。それも、ラジオドラマという舞台に、リスナーを上手に巻き込んで、物語の共有をさせているところが素晴らしい。企画書に書かれただけの机上のクロスチャネル戦略ではなく、リスナーと番組が、共に成長することによって、ひとつひとつ実現をしてきた戦略であることが評価されるべきところだと考える。
リスナーを合理的に動かそうとしても、そう思い通りに誘導されない。
「NISSAN あ、安部礼司 BEYOND THE AVERAGE」のクロスチャネル戦略は、「成長の物語」が起点になっているから、思いがけない増殖をする。その物語は、「主人に重ねるリスナー自身の昔と今がクロス」している。
だから、チャネルがつながり出すのだ。
ちなみに、安倍礼司の携帯着メロは、BOOWYのマリオネットだ。
今さらツボな楽曲選定によって、我が家の日曜の夕方の車中は、娘達との「今」と私の「昔」がクロスする。
そして、家族がつながり出すのだ。
ディープな人気を象徴するものとして・・・「NISSAN あ、安部礼司 BEYOND THE AVERAGE」は、ラジオドラマなのに異例の脚本集の出版と販売をしている。豪華化粧箱入りの『あ、安部礼司 脚本集 SEASON1』が2007年10月10日発売。約1000ページに及ぶ厚さのボリュームの本にも係わらず初版8000部が完売。増刷を行い、それも完売しているという。凄いっ。
今週末の3月8日の披露宴パーティーイベントが、この不景気を受けての番組の終了を合図するものではありませんように・・・。
どうかNISSANの伝説番組にしてください。
企画屋として、この番組が、どう成長していくのかを、まだ見届けたいと思うのだドS。
頼むよっ、安倍きゅゅゅゅゅんっ・・・。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。