企業の3大経営資源といわれるヒト・モノ・カネの中で、ヒトだけは現実の会計処理では費用(コスト)として扱われます。 もし、ヒトが費用ではなく資産(資源)だったら・・・
月給10万円の社員の評価は10万円です。しかし、10万円の社員から10万円以上の価値を生み出す活用方法を考えてほしいと思います。
10万円パソコンの価値はどんなに頑張ってもハイエンド機には及びません。10万円の価値を上回ったとしても、それを大きく上回るには限界があります。しかし、社員の価値は給与の数十倍を容易に上回り大きく化けることがあります。その要因は、人間の未知の可能性や潜在能力と呼ばれるものです。
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私が最近気になるのは、人の評価や価値判断が相対的な基準をもとに行なわれる傾向が強くなったことです。
たとえば、10の仕事ができる価値のある人がいるとします。現在は消費低迷で7の仕事しかなかったとしたら10の仕事ができる人の評価はどうなるでしょうか。
7の仕事しかないのなら、10の仕事ができる人でも、その評価は7にしかならないのが近年の多くの企業の人事評価の特徴だと思います。余分な3は「宝の持ち腐れ」のまま評価されません。人の評価はその人自身の能力とは関係なく、需要によって決まります。
このような評価が、社員の不満を生むことは明らかです。そして、その結果、昔は10の仕事ができる能力があったのに、今では7の仕事までしかできない人にレベルダウンすることになります。
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1年を超える長期雇用をする人を固定資産に計上した場合に、減価償却の問題を考えなければなりません。
長期保有資産は経年劣化が生じます。建物や機械は使用とともに劣化が進み、将来的には故障や修理を予定しなければならないのが常識です。これらの資産は時の経過とともに価値が低下していきます。価値が下がった分だけ評価を下げていく会計処理が減価償却です。
しかし、社員の場合は時の経過とともに技術や能力がアップして価値が高くなっていきます。社員は減価償却をする必要のない資産です。ただし、社員の価値を高める正しい活用をすることが前提となります。間違った使い方をすると、1年も経たずに価値のないスクラップということもあり得ます。
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最近、ワークシェアリング(ワークシェア)という言葉をよく耳にします。ワークシェアは5年ほど前にも産業界の一部で導入が検討されましたが、思ったほどには広がることはありませんでした。
今回、政府与党はワークシェアを実施する企業を助成する方針を明らかにしました。(2月12日付読売新聞)ワークシェアが、急速な景気後退にともなう失業対策として再び注目されています。
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