今日は、リスクマネジメントについてお話しします。最近、内部統制からの概念拡張としてのERMや、BCM/BCPが流行していますが、そもそも経営リスクとどのように付き合っていけばよいのでしょうか?
ひるがえって、経営者、リーダーの立場になった場合に、不安で不安で眠れないのなら、その不安がもしも起こったら、自分がどうなるのか?を冷静に考えてみることです。
不安が顕在化したら、その不安と付き合っていくことが出来ます。もしも、なんとなく漠然とした不安を持ち続けて行くのならば、全滅する金魚になってしまいます。
では、自分たちの周りには、どんなリスクが存在するのでしょうか?
例えば、最近ニュースを騒がせている三笠フーズの汚染米転売事件。三笠フーズ自体は確信犯でやっているのでしょうが、その取引先であれば、確実に風評被害を受けます。
おたくの商品には汚染米が入っているのでは?とお客様に思われたら、せっかく築きあげた信用ががた落ちです。こういった事態を前にして、おろおろしてしまい、迅速な対処ができないと、被害はさらに拡大します。
例えば、インフルエンザが大流行して、社員が全員休んだとします。業務はまわりますか?まわりませんよね・・・。お客様の対応もできなくなってしまいます。
まだあります。例えば、火災が起こったとして、自社の建物が全焼したとします。元通り業務をやるためには、どれだけの時間とお金が必要だかわかりますか?
例を挙げると枚挙に暇がありません。
ですから、まず、リスクの洗い出しを行います。こんなことが起きたら、自社はすごい被害を受けるね、とみんなで理解しておく。
その上で、そのリスクがもたらす損害を冷静に数字に置き換える。この損害はいくらぐらいだね。これはけっこう安くすむね、と。
そして、仮に何か起きたとして、その復旧プランを用意しておく。それぐらいができれば、何か起きた時の回復力、もしくは日々の行動力が違ってきます。
そんなプランは当たらないから意味がないよ!と思いますか?
もし、そのプランがあたっていなくても、大丈夫です。人は地図がある程度あれば、行こうと思っていた道以外の道も、効率的にたどることができるものです。
また例え話で恐縮ですが、アルプス山脈で軍事演習を行っていたスイス軍のある小隊が雪山で遭難してしまったことがあるそうです。その小隊の安否を皆が気遣いました。
冬のアルプスです。状況の過酷さは想像できるでしょう。防寒着を着ていても、体中が痺れるような寒さです。師団長は彼らを半ば諦めかけていました。しかし数日後、彼らは無事帰還しました。
「よくぞ帰ってきた!」と師団長は彼らを迎えました。小隊長は「いや、地図があったものですから、皆でそれを頼りに帰ってきたんですよ。」と嬉しそうに言いました。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
ストラテジー
2008.12.31
2008.12.20
2008.11.24
2008.11.09
2008.11.03
2008.10.21
2008.10.08
2008.09.15
2008.07.23
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。