BCMを人事・総務の立場から考える「ケーススタディ」の教材のようなものを書いてみました。日々の生活を振り返る道具にしてみて下さい。
人事総務課長のAさんは、9時過ぎに到着した営業アシスタントのCさんの無事を確認して、営業部のBさんを救出すべく固定電話回線で救急車を呼ぶために乾電池を探していました。
Aさんの勤務する◎◎工業株式会社は、全社員300名、本社勤務は80名という中堅メーカー。
「本社勤務が80名で、現在安否確認ができているのが3名。1名は負傷・・・。社長や役員は大丈夫かなぁ? でも、家も広いし、戸建だし、社長は為替のおかげで儲けているからって家を建て替えたばかりだから、到着を待つだけかな。」
倉庫から乾電池を見つけ、固定回線に繋がる電話にセットして、電話を試みるも回線が繋がらない・・・。
「ったく、税金を払っているのに、こういうときに活かせなかったら意味無いよな・・・」
とつぶやきながらも、Aさんは会社までの道のりで見かけた潰れた家屋からの救出活動を行っている消防隊員のことを思い出しでいた。
「そうだ、社用車でBさんを運べばいいんだ。」
搬送先は、会社から一番近い救急病院。車で10分くらいだな。途中には橋はないから、あとはビルが崩れて道をふさいでいないことを祈るだけか。あとは・・・
「病院に先に連絡が入れられればいいんだけど・・・」
そんなことを考えながら、まずは安否確認ができた人だけの生命が大切だからと、まずはBさんの救出を始めることにした。
「Bさん、その足が挟まれている時間はどれくらい?」
「え~っと、7時頃からだから2時間程度ですね。感覚が無くなってからは1時間ちょっとくらいだと思います。」
まずは、クラッシュ・シンドローム対策として、タオルで挟まっている箇所の上をきつく縛り(でも動脈はふさがないように固めず・・・)、それから倒れているキャビネットを起こして、担架は無いから、カーテンに載せて引きずって正面玄関の社用車に乗せて運ぶことにして・・・
「よかった~。誰もいなかったらどうしようかと思っていたんです。」
そう声をかけてきたのは、システム部の主任のDさん。
「その方は?」 Dさんの問いに 「Dさん、営業部のBさんだよ。」 と勤続5年超の二人なのに入社年度が違うとそれも分からないのか・・・と日々のマネジメントのありかたを反省しつつ、Bさんの搬送を手伝ってもらう。
「Aさん、誰か会社に残っていた方がいいんじゃないんですか?」というDさんの問いに。
いま居るのは、人事総務のAさん、営業部で負傷しているBさん、営業アシスタントのCさん、システム部のDさんの4名。
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