適・不適を判断するポイントについて引き続き考えてみたい。
人間は本来地上で生活する動物である。猿から進化した人類には海を渡り、空を飛び、宇宙へ飛び出す力はもともとなかった。偶然の進化なのか、神の意志なのか分らないが、人類は高度な発展を遂げて、地球上の生態系を支配しうる力を持っている。
言語、文字、印刷、放送、インターネットなど、情報や知識の形式化や体系化のためのツールや媒体が発達して、情報や知識が共有され、蓄積され、伝承され、人類の進化や文明の発展に大きく貢献している。
個人としては不可能なことが多くても、人類全体としては不可能なことはほとんどない、全ては時間の問題だと思えるような科学技術の発展と文明の発達を実現している。
大企業など大きな組織は、能力を発揮して、多種多様なビジネスを実現しうる。小さな組織でも、多くのモノゴトに関わることは困難であっても、特定の分野や専門領域においては相当な能力を発揮しうる。
所属する組織の大小や状況を問わず、個人あるいは組織が発揮する能力と顧客や社会が求める能力の適合が必要である。そのために個人や組織には、自己研鑽が必要となる。それは、研究開発であり、継続的な学習である。日々の業務を遂行するなかで経験を高めることも研鑽となる。それは個人、または、組織の能力を高めたり、発揮するために不可欠なものである。
業務・資本提携や買収(M&A)などによる能力の増強もある。
顧客や社会が求める能力を把握して、それを磨き、高めるためにはコミュニケーションが必要である。それは顧客や社会のニーズを注意深く聞く活動であり、顧客や社会の行動や嗜好の変化を注意深く観察することである。
それは受動的な行動でもあるし、能動的な行動でもある。顧客や社会の真のニーズを把握して、さらにそれらを満たすためには、むしろ能動的なアクションが不可欠である。そこには自ら顧客や社会に働きかける挑戦が必要になる。
初期のアクションの段階では池に小石を投げ入れるように調和や秩序を保っている市場や社会に対して一時の波紋を作るだけに終わるかも知れない。「ポチャン」という音も波紋も小さすぎて顧客や潜在顧客に気付かれないこともあるだろう。
しかし、継続的に石を投じること、継続的な社会に対して働きかけること、情報を発信することによって、情報の伝達からフィードバックまでの円滑なコミュニケーションのサイクルが形成される。その中で自己の能力や適性は研ぎ澄まされる。
それは継続的な活動である。何らかのビジョン、あるいは仮説、そして、意志がなければそのような活動は続かない。適性を見出し、高め、深めるのはアクション(コミュニケーション)と学習の繰り返しが必要である。
【V.スピリット No.100より】
V.スピリット総集編5
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