番組開始当初から、「エンタの神様」は、どうもいただけないっ。 何か違和感があるっ。 ほぼ同じ種類のお笑い番組ではあるが「爆笑レッドカーペット」は、ちょっぴり好意的に見ることができる。 その理由は、何なのか? 「お笑い」について、ちょっと考えてみるっ。
日本テレビで放映されている「エンタの神様」は、今年で5年目。
数々の芸人を世に排出してきたが、この7月12日の平均視聴率は、12.4%。
20%越えを記録していた時期に比べると、番組自体の隆盛は過ぎたといえる。
一方、フジテレビの「爆笑レッドカーペット」は、この春より特番をレギュラー化。この7月16日の平均視聴率は、15.9%。安定して、10%後半の視聴率を叩き出す勢いがある。数々の掲示板等での書き込み数や、取り上げられる内容も、視聴率同様「爆笑レッドカーペット」に、どうも分があるようだ。
「エンタの神様」を作った名物プロデューサー・五味一男氏が言うように、両番組とも「ネタ番組の形を借りたバラエティー番組」であることに違いはない。しかし、両番組の在り方は、微妙に違う。
ベテランでも新人クラスでも芸人1組に、1人のネタディレクターと、1~3人ほどの放送作家がつく。芸人と打ち合わせやトレーニングを重ね、二人三脚でネタを考える。できたネタは五味氏がチェックして、修正ポイントを指導。この作業を繰り返し、五味チェックをクリアしたら、ようやく出演に至る。
所属するネタディレクターは15人ほどで、1人当たり2~3組の芸人を担当する。番組に出演する前の段階の新人クラスも含めると合計50組近くの芸人を育てている。一方、かかわっている放送作家は30人前後。ネタディレクターや五味氏が、芸人ごとに目指す芸風に合いそうな放送作家を選ぶ。新人クラスが出演できるまでの期間はまちまち。「すぐにネタが固まって出演する人もいれば、摩邪のように女子プロレスラーのマイクパフォーマンスというネタの骨格が決まるまでに1年半くらいかかる人もいる」(五味氏)。
スタッフがネタに関与する割合も芸人ごとに違う。「100%番組側が作るケースもあれば、芸人が99%作るケースもある。いずれにしても芸人のネタを100%そのまま放送するというのは、ほぼあり得ない」(五味氏)。
Wikipediaによれば、かつて一部の芸人は、この番組からオファーが来ることを「赤紙」と呼んでいたと言う。また、「エンタの神様」の場合、収録舞台でのNGは、すべて撮り直すらしい。大きなテロップや編集されているであろう観客の笑い声も含めて・・・テレビ画面から漂う「ミョーな連帯感と予定調和」が気にいらない。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。