誰も真面目にテレビなんか観ていない。 そんなデータが発表された。 「マルチウィンドウ視聴」なんて言ってるが、その実態は・・・。
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)が、テレビ・パソコン・携帯電話など複数のメディアを同時利用して視聴する「マルチウィンドウ視聴」に関するユーザー環境調査を行った結果が発表された(20~59歳のインターネットユーザーの男女を対象として6月に行われ、1000サンプルを人口構成比に基づいて回収)。
その中で、複数のメディアを同時利用して視聴する「マルチウィンドウ視聴」については、68.0%のユーザーがなんらかのかたちで行っており、サブデバイスとして最も多く利用しているのは「パソコン」51.9%で、続いて「携帯電話」17.2%、「据え置き型テレビ」10.9%、「TVチューナー付パソコン」7.1%という結果になったとある。
「マルチウィンドウ視聴」とは、聞こえはいいが・・・。
「据え置き型テレビ」の放送されている番組と繋がったケータイコンテンツやサイトを視聴している現実は考えにくい。
結局は、パソコンを開きながら・・・
ケータイを片手にしながら・・・テレビを観ているということなのだ。
約70%のヒトは、
「据え置き型テレビ」から流れる番組を食い入るようには見ていない。
若者のテレビ離れが騒がれているが、
テレビを観なくなっただけならまだしも・・・
観ている視聴者だって、実は真面目な態度では観ていないのが現実だ。
実は、広告主にとっては、視聴率よりも、視聴質の問題の方が大きいと思う。
CMになった、他チャンネルをザッピング。
ケータイにメールが入ったら即返事。
面白いサイトを見つけたらテレビ番組なんかそっちのけ。
よくある姿だ。自分がそうだもの。
街頭で見上げて観ていたテレビは、凄い影響があった。
国民が食い入るように、その番組を観て、狂喜乱舞した。
お茶の間にどんと置かれた家具調テレビは、
経済成長のシンボルだったし、
家族のみんなが同じ番組を観て、泣いて笑った。
新聞のテレビ欄が、家族の話題になった。
リビングの床にテレビが置かれるようになった頃から、
テレビを食い入るように観る人は少なくなった。
ましてや、テレビがケータイに納まった日には・・・。
時代とともに、テレビの地位は、
見上げるものから、手の内に納まるものになった。
誰も、テレビを中心に、生活をしなくなった。
手に納まるテレビの中で、お手軽なバラエティやドラマが流される。
ますます、視聴者にとって、テレビは、手の内のものになる。
手の内に納まるようなものは、別に、見逃しても惜しくない。
代替えがいくらでもある。
手の内は、ばれる。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。