世界を変える会社の作り方~6~

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

「仕入れと販売」のバランスをとる

 もうひとつ、バランスを取らなければならないのは、「仕入れと販売」です。私たちの場合の仕入れは、大半が人と情報になります。それらの切片と傾きをどうするかを考えなければならない。つまり、どう仕入れて、どう売るかです。
 
 人の仕入れコストを抑えるなら、インターンで雇う、時給制にする、あるいは成果報酬型にするというやり方もあります。売上の伸びに応じて、仕入れを考え、利益を調整するわけです。
 
 ただ、ここで言いたいのは「利益が出たから万歳!」ではないということです。事業がビジョンへの道のりと考えると、利益=設備投資コストでなければなりません。利益を投資し、次の事業に回し、ビジョンに近づいていかなければなりません。

 利益しか見ていない人が多いようです。利益は単なる中間地点であって、利益は所詮、フローを期間で切ったものにすぎないのです。フローは永遠に続いていくものです。利益が出てもそれで終わりではないということを、是非、認識してほしいと思います。

 資本政策についても、多少触れます。会社設立は資本金で賄います。その後、製品やサービスをリリースしていきます。そこで、会社の価値(バリュエーション)が1億円程度になってもまだ資金調達は行なわないほうがいいです。

 1億円とは、社会的価値のある事業において、プロトタイプとクライアントがある状態です。銀行からの借り入れや市場調達を行なうのは、せめてバリュエーションが10億円程度になってから。ここではじめて、成長資源として次のステップに行くための調達を行なうのがいいでしょう。

ビジネスプランは書いて書いて書きまくる

 事業が続いていく限り、ビジネスプラン作りにも終わりがありません。私の日曜日は、近所のデニーズでのビジネスプラン作りが中心です。こちらからメニューを頼まなくても、いつも食べる「Chefs Cobbサラダ」と「ドリンクバー」が出てくるぐらい、すっかり常連化しています。それも寂しい話ですが、ビジネスプランは、とにかく事業の本質がわかるまで書き直します。ただ頭で考えているだけでなく、書くことが大事です。

 私のプランは相当古いものから残っています。たとえば、銘柄分析システムのように、プラン通り実現しているものもありますが、プランの内容はどんどん変わっていっています。

 シェアーズの本質は、「さまざまな視点や切り口をより多くの人と分かち合う」ことだと考えています。そのなかで、金融事業の本質は、「投資に関する敷居を下げ、社会的摩擦コストを低減する」ということです。そうやって日本の金融業界を根底から変えていこうとしています。

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