第1回正しい人事評価って、できるのか?

人のビジネスにおける必要な能力とは? そさて、企業における評価とは?

人のビジネスにおける必要な能力とは?
そして、企業における評価とは?


正しい人事評価って、できるのか?

― 人のビジネス能力を構造で考える ―


正しい人事評価は、できるのだろうか。

評価される人と、されない人を長く見てきて、
その差が「能力」だけで説明できたことは、正直あまりない。

にもかかわらず、私たちは評価を語るとき、
人のビジネス能力をあまりにも単純に扱いすぎている気がしてならなかった。



能力がある/ない、という雑な問い

よく聞く話がある。
• 学業では優秀だったのに、仕事では評価されない
• 逆に、学歴は普通でも仕事ができる人がいる

こうした話は、だいたい
「学歴と仕事は別だよね」
という一言で片づけられる。

でも、それで本当に説明できているのだろうか。

能力があるか、ないか。
頭がいいか、悪いか。

こうした二分法では、
現実に起きていることがどうにも説明できない。

なぜなら、
同じ人が、ある環境では高く評価され、
別の環境では評価されない
という現象が、あまりにも多いからだ。



評価されているのは「能力」そのものではない

考え続けて気づいたのは、
人事評価が見ているのは、
必ずしも「能力そのもの」ではないということだ。

評価されやすいのは、
• 起きた問題を解決した人
• 目に見える成果を出した人
• 分かりやすい成功体験を語れる人

一方で、
• 問題を未然に防いだ人
• トラブルが起きないように動いた人
• 失敗しない判断を積み重ねた人

こうした働きは、
そもそも観測されにくい。

問題が起きなければ、
「何もしていないように見える」からだ。


能力を「構造物」として見ないと、話が噛み合わない

多くの能力論は、
能力を単語で語ろうとする。
• 思考力
• コミュニケーション力
• マインド
• 地頭

でも実際のビジネス能力は、
そんな単語一つで説明できるものではない。

能力は、
• どんな知識を持ち
• どんな経験を積み
• どんな行動を選び
• どんな前提(マインド・環境)の中で
• どんな評価軸にさらされてきたか

それらが組み合わさって発現した、
構造物に近いものだ。

構造を見ずに、結果だけを見て評価すれば、
ズレが生まれるのは当然だ。



この連載でやりたいこと

この連載でやりたいのは、
誰かを持ち上げることでも、
評価制度を断罪することでもない。

やりたいのは、ただ一つ。

人のビジネス能力を、
才能論や精神論から切り離し、
構造として捉え直すこと。

そうしない限り、
• なぜ評価されない人が生まれるのか
• どこは鍛えられて、どこは鍛えられないのか
• キャリアはなぜ分岐するのか

こうした問いには、答えが出ない。



正しい評価は「完全」にはできない

おそらく、
完全に正しい人事評価は存在しない。

でも、
• どこまでなら測れて
• どこからは測れないのか

その境界を理解することはできる。

そしてそれは、
人を無駄に責めないためにも、
組織が人を使い潰さないためにも、
とても重要な視点だと思っている。



この連載では、
人のビジネス能力を構成する要素を一つずつ分解し、
評価・人材開発・キャリアの視点から考えていく。

次回はまず、
「スキルとは何か」から話を始めたい。
知識と経験は、どこまで能力になるのか。



次回予告

スキルは何でできているのか
― 知識×経験というシンプルな定義 ―

Ads by Google

富士 翔大郎

シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

フォロー フォローして富士 翔大郎の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。